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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1752 前に進む為のXの問い編 125

 「まあ本当に凄い。良いパーツが手に入りましたね」


 なんとか煙を追い払った後には、この中で一番地味目な……それでもかなり露出的な装備を着てる女性が僕が持ってきたパーツを見ながらそういった。それは前々から僕たち……というかこいつらが狙いを定めてたパーツだ。エンジンの出力が十五パーセント上昇して、更にエンジン自体の耐久性もかなりあるやつ。

 これを使うことで映画の車のような、ブースター的な奴つけれるようになるみたい。そうするとエンジンの推進力とは別に、ブースターを使っての加速が使えるようになる。勿論、そんな頻繁に使える物じゃない。一レースで使えるのは一度か、二度くらいだろう。


 勿論耐久レースとか、大陸横断レースとかだったら別だが、今回の大会はそんなキワモノではない。ちゃんとテア・レス・テレスが決めたコースを走って、スピードとかか競う奴だ。たしか三週位するんじゃなかったかな? その間でしかも色々と障害物があるとかなんとか……それなりに危険なレースなんだよね。


 きっとゲームで本当に死ぬことがないから、派手な方が良いだろうって事なんだろう。一応あからさまな攻撃は禁止ではある。でも、機体がぶつかったりはどうしてもある訳で、そこら辺で相手をぶっ潰すそうとする輩は絶対に出てくる。てか……ここの奴等がそうだし。


「でもこのパーツ、なかなか手に入らないし、手に入れたとも聞かないです。それに手に入れてると判明してるのはなかなかに有名どころの筈。貴方は確かに強いけど、ソロで彼らを相手にしようと思うほど、積極的だったかしら?」

「まあ確かに。こいつはまだまだ悪には染まりきれてないからな。やられる美学って奴を分かってない所はあるな。どいつにでも喧嘩を売りまくって、気持ちよく略奪して、そして気持ちよく成敗される。それも悪の魅力だぞ!」


 後から言葉をかぶせてきたアホの言い分は全く理解できない。確かにそういうプレーなんだといえばそれまでだ。悪役として存分に振る舞って、そして存分に成敗される――それまでがこの厳つい見た目のおっさんの悪の美学だから、下手にこそこそとする――何てことはしない。大体襲撃したらやられるしな。まあそれでもチームとして勝利すれば良いから、パーツは集まってきたわけだけど、実際他の奴等はよくこいつについて行ってるよな……とは思う。あんまり強くないし。まあけどどこかに放っておけないとか、なんか引きつける魅力的はあるのはわかる。

 勿論、悪のカリスマ……的なそれじゃない。ただなんか楽しんでるなって感じがするところが魅力なんだろう。


「スオウならアイテムだけ奪って逃げるって行動が一番効果的だけど……」


 そう言ってその地味目な彼女はウインドウを開いて何やらやってる。そして少しするとこういった。


「これを持ってたチームは騒いでないみたい」


 何でそんなことがわかるんだよって言いたい。確かにこの時代SNSとかやってる奴等は沢山居るし、LROでの活動を公開してる奴も沢山居る。でもちゃんとした奴なら重要な情報は漏らさないような配慮はするだろう。それこそ重要な何かが奪われたとか……そんなのはさ。勿論緩い奴だっているとは思う。でもそれを今の時間で見つけるなんて出来るだろうか? 不可能だと思う。普段から色々と探ってないと無理たろう。そんな彼女がこっちをみつついうよ。


「本当に、これって奪ってきたんですか?」


 やっぱりこいつだけは僕を疑ってる。まあ仕方ない。だってこいつはここの他の奴等とは違って、悪役ムーブを楽しんでる奴等って訳じゃない。こいつだけは違う。こいつだけはもっと深いところに居る悪党だ。なにせ、僕やメリッサに最初にヴァレル・ワンを盗ませたのこいつだし……僕たち……というかこのチームも何やらもっと大きな悪の組織に利用されてる感じなんだよね。

 てかどうするか……実際パーツはここ数日、こっちに顔を出せなかったからそのわびというか、ちゃんと活動してたっていう実績作りのために会長からもらった物なんだよね。そりゃあ、騒いでる奴なんているわけ無い。でもまあ、これも想定内だ、会長の言うとおりだったと言って良い。解決策は示されなかったけどね!

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