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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1747 前に進む為のXの問い編 120

 僕はリア・レーゼから離れてとても深い森の中に居た。元々がなかなかに自然豊かなところにあったリア・レーゼだからね。どの方向に進んだって森に囲まれてるのがリア・レーゼで、外から来るには基本川を使うか空を使うかって感じだからね。そういう場所だったからしばらく進めば森も深くなる。深い森は視界が悪くて、とても暗い。LROはふしぎな苔や草花があって、大抵そんなのが光源になって夜を照らしてるから完全な闇と言うことはあんまり無い。勿論意図的にそういう演出をしてる場所なら、完全の闇――となる場所はある。

 でもそう言うのってなかなかに特殊な場所だ。リアルさをLROは追求してるところはあるけど、リアルにある煩わしさを省いてるのもLROだ。それを考えるとこの森のこの闇は何かあるのか? と思えるほどの闇だ。まあけど……


「コードなら見えるから問題ないな」


 僕の目は元々優秀ではある。けどそれは動体視力的なことであって、完全な闇でも周囲が見えるような人間離れしたことではない。だから闇は闇だ。まあ目が慣れれば暗闇でも見えるようになるくらいには人の目は優秀だけど……でも元からコードを見れば、闇とかまぶしさとか関係ないんだよね。ただ情緒がなくなるってだけだ。

 なにせLROはゲームなんだし、闇を前提とした敵とかも居るわけで、そいつらの専売特許を僕は奪ってる。それに闇を生かした演出とか……そんなのを無意味にしてると考えるとね。

 まあでも便利ではある。便利さに人間は勝てないのだ。こんな闇でも光源がいらないのはありがたい。あんまり目立ちたくないからね。こんな闇で光源を使うとどう考えても誰かがここに居る――と言ってるようなものだ。こっちが見えるって事は向こうにも見えるって事だからね。


 この闇のままで行動できるのなら、何やっててもきっと気づかれないだろう。まあけど……


(一応危険が無いかは確かめた方が良いよな)


 そう思う。これだけの闇だ。何か居てもおかしくない。安全を確保しないと、おちおちとやりたいことも出来ないからね。と言うわけで僕はこの闇の中を歩き回る。まあ僕的にはコードで見てるから闇ではないが……大地のコード、草木のコード……森を吹き抜ける風のコード……そして闇の中に潜む動物たちのコード……そんなのが見える。

 でも敵の姿はない? そんなわけある? こんないかにも何かありそうな感じで闇ってるんだが? でもざっと見たところ、危険はなさそう? 動物たちはいるが、この森に居るようなモンスターがどうやらこの真っ暗な地帯には近寄ってないみたいだ。


(好都合だけど……)


 何かありそうではある。まあけど、深く考えても仕方ないだろう。


(逃げ足には自信があるしな)


 いざとなれば逃げれば良いだけのことだ。スピードだけは自信があるからね。ボス専用の特殊なエリアとかに飛ばされない限り、どこまでも逃げれるのがLROの良いところでもある。まあ他にも結界とかあるけど……まあ結界は最悪力業でどうにか出来る。

 でも空間ごと移動させられたら帰還方法ってそのルールに従うしかないからね。


(いや、祝福があればそれだって変えられるのか?)


 その可能性に思い至った。けど……楽なことじゃないな。とりあえず何か出てきたら逃げるって方針を決めて、丁度良い感じに木々が並んでる場所に僕は立った。これを扉に見立てようかと思ったんだ。

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