表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1736/2698

1736 前に進む為のXの問い編 109

「ふーんそれがヤドリカね」


 そう言って高圧的な視線をメリッサの奴はヤドリカへと向けてる。そのせいでヤドリカだってガクブルだ。ちょっとうちの子を虐めないでくれるかな? とりあえずそれとなくその高圧的な態度は改めてもらおう。


「おい、怯えてるだろ。もっと愛想良くしろよ」

「私が犬畜生に媚びを売れと? 止めてくれる? 私が服従してるのは姫だけなの」


 犬畜生って……確かにヤドリカは人ではないけど……畜生ではないだろう。かわいいじゃん。でっかいヤドカリ可愛いぞ。まあけどこいつに感情で訴えても駄目なのは目に見えてるな。そういう奴じゃないし。ということは、合理的にいうか。


「お前な……ヤドリカはローレの奴の願いを叶えるための一番重要な存在だぞ? それこそお前より」

「失礼しましたヤドリカ様。犬畜生よりも下の私を許してください」


 変わり身が早すぎる。こいつのこの割り切った切り返しだけはスゲーと思う。完全に自分の心を殺す術を知ってるよ。メリッサって絶対に大人の女性だよね。なんか社会でもまれてるんだろうなって感じするもん。重要な相手にはこびへつらうことに躊躇いなんて一切無い。


(いや待てよ……僕もそれなりに重要な位置に存在してるはずだけど……)


 一応祝福なんて言うこのLROで二人しかない力を持ってるし、僕が持ってるスキルはなかなかに唯一無二なのが多い。ローレにだって重宝されてる……いいように使われてるだけ――だけどそれでも僕の存在はなかなかに唯一無二の筈なんだが……メリッサの奴が僕にこびへつらう事って無いんだよね。何故に? 

 イヤ今更こいつが女の武器を駆使して僕に迫ってきても恐ろしいというか……おぞましいだけだけど。それに僕は日鞠一筋だし。


 ヤドリカの重要性を理解したメリッサの奴は砂浜に片膝をついて頭を下げている。するとヤドリカも僕の背から出てきてメリッサの側へ。おずおずとなんかその場でハサミを掲げて踊り出した。何やってんだあいつ? 握手とかならまだわかるんだけど……なんかメリッサからも「なによこれ?」みたいな視線が……とりあえず適当に言っとくか。


「あれだよあれ。ヤドリカの友好の踊りだよ。一緒に踊ってあげればもうお前達は友達だ」

「……わかりました」


 そう言ってなんかメリッサはヤドリカと共に砂浜で妙な踊りを踊り出した。両手を挙げて二人でグーるグルしてる。うん……とりあえずLROのカメラ機能で二人のダンスを録画してた。


(これからはあいつが理不尽な事を言ってきたらこれで脅そう)


 僕は密かにそう思ってた。けどまあ、踊り終わった後にはヤドリカとメリッサは仲良くなってたから意味が無かったわけじゃない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ