表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1728/2699

1728 前に進む為のXの問い編 101

 「うわぁ凄い! 凄いよスオウ!」


 そう言ってはしゃぐアーシア。まあ自然物の中にしか居なかった奴だからね。人工物をいきなり見たらそれは驚くだろう。それにここは城だしね。そこらの人工物よりも数段は凄い建物だ。


(でもいきなり花の城はレベルが高すぎたかもしれない)


 もしかしたらレスティアの町の方とかに降りたら、案外しょぼい……とか思われるかも。最初に一番最上級を見せつけるのもどうか――って感じだね。まあアーシアは普通に喜びそうではあるけど……ここは花の城でもかなり奥まったところでそんなにテア・レス・テレスの奴らも居ない場所みたいだね。多分幹部級しかこれないような所なんだろう。アホみたいに多いテア・レス・テレスだけど、そもそもが花の城に入れる奴からして絞ってるみたいだからね。

 まあテア・レス・テレスに入った瞬間にチームの全てを公開してたら、スパイとかされ放題だしね。


「アーシアちゃんはやっぱりスオウと一緒が良いのかな?」

「どうして?」

「こっちで人を用意することも出来るから。てか、何かやりたいことでもある?」

「いっぱい食べたい! 美味しそうな匂いするから!」

「「……」」


 僕と会長は互いに目を合わせた。そして互いに吹き出して、「いいよ」って言った。とりあえずまあ腹ごしらえ……それも良いんじゃないかな? 沢山美味しい物あるしね。

 僕たちプレイヤーに取っては食事って腹ごしらえって言うよりも、ステータスアップのために食べるものなんだけどね。いや、過度なLROでのダイエットが問題になったから、こっちで食べても満腹にならないようになったからね。

 まあそれでも食べた気分でごまかそうって人は沢山居るらしい……そう聞いた。でもそこら辺、僕には関係ないからよくはしらない。


「じゃあ、とりあえずレスティアの町中でブラブラと店でも回るかな?」

「そうだね」


 そう言って歩き出したところで思った。


「お前も来るんだ?」

「なに、? スオウはアーシアちゃんとデートがしたかったの?」


 頬を膨らませて会長がそんなことを言ってくる。いや……別にそういうわけじゃない。ただ……


「いや、お前って忙しいんじゃないか?」

「一応私がホストなんだから、案内くらいしないと失礼でしょ?」

「まあ……そういうもんか」


 もしかしたらそれは方便で見知らぬ女と二人っきりにしたくないってのか本音だったり……したらまあちょっと嬉しいかもしれない。


「てかちょっと待てよ。昨日あんな騒ぎ起こしたのに、僕が会長と居るのは不味くないか?」

「……それはそうだね。そもそもが今はちょっとした敵対関係を演出してるわけだし……一緒に行くのはまずいか」


 珍しく会長の奴が抜けてたな。僕とのデートで浮かれて……とかならなかなかに嬉しいが、きっと疲れてるだけだと思う。こいつ学生にあるまじき忙しさだし。やっぱりここは休ませるべきか……


「やっぱりここは――」

「じゃあスオウは外しておいて。私がホストとしてアーシアちゃんをしっかりエスコートするから」


 ええ……なんか僕の出る幕はないようで、会長は軽く遠慮してるアーシアを説き伏せて二人で行ってしまった。僕はしょうがないから、やどかり擬きを抱えて花の城の窓から外に出ることにしたよ。なにせ僕が花の城から堂々と出るのは今は不味いからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ