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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1726 前に進む為のXの問い編 99

「初めまして。私この大地の管理を任されてる会長です」


 そんな風に日鞠がシ○ガミ様改め、主に挨拶してた。いや、名前ないんだよね。なにせどうやら森の主……みたいな感じで、だから主なのである。

 学校が終わって早速僕たちはLROに入ってこの森に来た。まあ僕はここで落ちてたからダイブしたらすぐにここだ。なのでとりあえず会長を迎えに森の出口に行って、また戻ってきたわけだ。日鞠の奴は忙しいから、もっと夜とかになると思ったんだけど、色々と予定を調整したみたい。

 でも実際その挨拶はどうなの? なんか主の逆鱗に触れないか心配というか。なにせ人間を傲慢だと思ってる奴だし。


『大地の管理者を名乗るか人間』

「まあ、一応そういう役割なので」

『傲慢な!』


 ほらね。てか絶対に会長の奴わかっててやってるだろ。ここは本当の森の中心地じゃなく、最初に僕たちが主と会った超デカい幹が朽ちてる場所だ。そして昨日と同じように会長の発言で周囲の木々達がざわざわとしてる。地面からはツタがボコって伸びてきてるし、木々の方からはメキメキとその枝が絡み合って今にもとんできそう。

 どうするつもりだよ。せっかくまとまってたのに。


「落ち着いてください。私は謙虚に行こうと思ってますから。この森に手を出さないことをお約束しましょう」

『その言葉を信じろと?』

「信じていただけると思ってますよ」


 そう言って会長はペンを出す。


「私に信用がないのはわかってます。だからここは契約書を交わしましょう」

『人の理に縛られるつもりはない』

(来る)


 僕はいつでも会長を守れるように気を張ってた。そして緊張した空気に一筋の刺激が加わって、その火蓋は切って落とされる――と思ったけど……


「これはこの森とそしてそこに生きる皆さんのための物ですよ?」

『なにをした?』

「なに、でしょうか?」


 僕もそれには主に同意する。絶対に今、主は攻撃を仕掛ける気だった。その気配を確かに感じた。だから僕は動こうとした。でも何もなくて蹈鞴を踏んだ。

 何をした? いや、見当はつく。周囲の森の雰囲気が何か変わってる。さっきまで森全体で殺気を感じてた。でも……今やそれはない。


『我から森の主導権を奪ったのか……小娘。何者だ?』

「私はレスティアの代表でチーム『テア・レス・テレス』の代表の会長です。お見知りおきを」


 そういう会長はぺこりと綺麗に頭を下げる。そしてちょっとの静寂。そして主は動く。


『どうやら貴様は敵に回してはいけないようだ』

「私は誰とも争う気は無いですよ?」


 そして次はそう言って主が頭を下げた。おいおい、昨日の戦いは何だったの? ってくらいにあっさり引いたじゃん。お前のプライドはそんな物だったのかと言いたい。

 まあなんか会長にひれ伏す奴が増えるのはなかなかに気分良いから良いけどね。やっぱりこいつはとんでもない。

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