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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1722/2700

1722 前に進む為のXの問い編 95

「そこにいるな」


 僕は朽ちた幹に湧き水が貯まり、周囲に花が咲き誇るその場所でそういった。


「スオウ……ここ、すごいよ」

「そうだな」


 僕が抱えてるアーシアがそんなことを言ってくる。実際何が凄いのか……いや雰囲気はなんとなくわかる。ものすごく静謐というか、神聖感があるというか……そんな雰囲気がこの場所はある。たしか最初にシ○ガミ様がいた超巨大な朽ちた幹のあの場所もかなり神聖感があったと思う。でも……ここはあそこほど広くはないが、こぢんまりとしてるからこそ、その神聖感がぎゅっと詰まってる気はする。


「隠れてやり過ごす気か? なら――」

「駄目だよスオウ! ここは駄目だよ」


 脅してのつもりで拳を向けたけど、それを必死にアーシアが止めてくる。脅しだから。なにせまだフラングランも回収できてないし、とりあえず脅しておこうかなってくらいだ。ここは間違いなくこの森にとってもとても重要な場所なのは間違いないからね。

 次の一手が来る前に勝負を決めたいから脅してるんだ。なにせこっちとしては「参った」と言う言葉をシ○ガミ様から聞かないと安心なんて出来ないからな。


『この場所に気づくか。貴様のその目……何が見えてる?』


 この狭い空間に響くシ○ガミ様の声。どうやらここは見つかるとは思ってなかったらしい。まあ確かに巧妙に隠されてたね。僕だってこお目だけで見つけたわけじゃない。雷撃を森の全域に放って、それで見つけたわけだからね。目の成果……かと言われるとそうでも無いような気はする。

 まあでももしかしたら、存在自体は気づいてもここにはこれないような仕掛けがあったのかもしれない。僕の目はコードを見れる。だからこそそんな小細工を無意識的に破ってたのかもしれないな。


「何が見えるって言われても……この場所を知ったから来ただけだけど?」

『ここに気づくことは出来よう。だが、まっすぐにたどり着くなど……そんなのはただの人の身ではあり得ない』


 うーん、どうやらやっぱり何か仕掛け的なものがあったらしい。認識阻害とか、延々と迷い続けるようになるとか、そんなのか? でももしかしたらそれらは僕の……というかフラングランの雷撃で機能不全を起こしてたかもしれないじゃん。

 てかその可能性が高いと思う。だってマジで僕はあの後とはただここに歩いてきただけだ。別に特別なことをしてた覚えは全くない。まあでも……僕のことを買いかぶりまくるのは否定することもないか。そっちの方が都合良いし。


「それじゃあ僕はあり得ないことをやった奴って事だ? それだけの事が出来るんだから、認めてくれても良いんじゃないか?」


 これまでの行動で僕がアーシアを傷つけないのはわかってるはず。力だって示した、精霊ならもう認めてくれてるぞ。どんだけ頑固なんだよって思う。それに本当にこれ以上抵抗するなら、ここをどうにかするしかないし……


『人を信じるのかい?』

「私は、誰かじゃなく、スオウを信じるの!」

『そうか、わかったよ』


 迷いないアーシアのその言葉についにシ○ガミ様は折れたらしい。

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