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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1711 前に進む為のXの問い編 84

「だめだよ! 喧嘩するなんて駄目!」


 僕に戦いを挑んできてシ○ガミ様に対してアーシアがそう言ってフンス――と可愛らしい顔で抗議をしてる。けどそんなの何吹く風でシ○ガミ様はこういった。


『必要なことなんだよ。君のために、彼の力を知っておかないといけない。彼がそれなりなら、君の行動に干渉しないよ。好きなところに行くが良い。でもきっと君はこの森に戻ってくるだろう』

「私の故郷はこの先の花畑だもん。勿論戻ってくるよ。でももっと外の世界も見たい。それは誰かに許可がいることなのかな?」


 一生懸命考えて、アーシアはその言葉を紡いだ。今まで一番知性的な言葉だったと思う。自分を縛る物はないはずだと、アーシアは言ってる。そして僕もその通りだと思う。こいつは何の権限があって、アーシアの保護者面をしてるのか。勿論それにはこいつが知ってる、アーシアの存在意義が関係してるんだろう。

 でも僕もアーシアもそれは知らないわけで、そしてこいつもそれを話そうとしない。それならやっぱりアーシアとこいつは他人というか余所様でしかないよね。それなのにアーシアの行動を縛る権利なんてやっぱり無い。


『そうですね。確かに誰かの許可なんていらないでしょう。でも、私はそれを確認するまでは二人をここから逃がす気は無い』

「スオウ……」


 ぎゅっとアーシアが僕の手を握ってくる。今初めて、こいつが怖いと、アーシアは思ったのかもしれない。今までなるべくアーシアには優しい一面だけを向けてたもんね。でもこうっなたら……って事なのかもしれない。実際……背後を見てもそこに道はない。木々がうっそうと茂ってる。

 それに来るときの感じからして、こいつはこの森を自由に出来る。それこそ地形とかなんとかいじれるほどだ。それを考えると、逃げることに意味は無い。なら……やるしかない。僕はアーシアの手を握り返す。


「大丈夫だよ。任せて」


 そういって僕はアーシアを背後に回らせて、シ○ガミ様と並び立つ。立ち上がったシ○ガミ様はデカい。……というかなんか大きくなってる? 


『このままでは少し手狭だろう』


 そういうと、いきなり木々がちいさくな成ったり移動したりし出して、僕たちの周囲が開けた。けど……上を向けばツタが張り巡らされてる。多分飛んでいげられないようにだろう。用心なことで。いきなり広くなった空間で、シ○ガミ様はその蹄で土の感触確かめてる。


『さて、先手は譲ってあげよう』


 どこまでも上から目線だな。そのおごり、後悔させてやろう。僕はインベントリから雷の札を取り出した。


「少し離れてて」

「うん」


 僕はアーシアを離れさせて、雷帝武装を発動させた。そして一瞬にしてその場から消える。

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