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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1708 前に進む為のXの問い編 81

 アーシアは目をつむって一生懸命祈ってる。僕はその様子をコードを見れる目にして見守ってる。特にこのシ○ガミ様の奴が余計なことをしないか……とね。こいつがアーシアのこの力を発現させたのなら、もしかしたら介入してこの発動を続けさせることが出来るかもしれない。

 変なことをしてたら、僕が指摘してこのシ○ガミ様がアーシアに嫌われるようにしてやろうっても思ってる。まあ今のところ介入はみられないけど。


「お願い、元に戻って……戻って。お願いします」


 そんな風にアーシアは必死に祈ってる。それを見てる僕はアーシアの目の周りから複雑なコードが消えていくのが見える。どうやらちゃんと本人の意思を尊重させてくれたようだ。僕はそれを確認してアーシアの肩をたたいた。


「目を開けてみて」

「ん……」


 アーシアは恐る恐るだけどまずは片目を開けてみる。それで僕がどう見えるか確かめる。すると「スオウだ」と言った。そしてすぐに閉じてた方の目も開いて、両目で僕のことを見て、更に顔とか体とかペタペタと触ってくる。


「スオウだ。本物だよね?」

「僕の偽物が居るのか?」

「ううん、スオウは本物だよ。わたしにはわかるもん」


 そう言って嬉しそうにするアーシア。よかった。さてこれでシ○ガミ様の思惑はご破算になったわけだけど……どういう反応をしてるのか。ただ能面な顔を見せてるだけだね。けどすぐに声が聞こえてきた。


『素晴らしい。こんなに早く自身の力を制御するなんて。流石です』


 どか言ってる。けどそれにアーシアは「変なことしないでよ!」と文句たらたらだ。いきなり僕が変な風に見えて、僕を拒絶したのがショックみたいだね。やーいやーい、そのままアーシアに嫌われろ。やり方が汚いんだよ。


『変なこと、ではないのだよ。ただ、人の醜さが君に見えただけだ。汚かっただろう? それが人という物だ』


 まあ人が汚い……というのには僕も多少なりとも同意はする。いくら清廉潔白な人だって綺麗な人を見ると話ししたいとか、知り合いたいとか思うだろうし、おっぱい大きかったりすると触ってみたいくらい頭の隅で思うだろう。

 けどそれはいけないことなのだろうか? 実行に移さなければ、別に何を考えていようが誰の迷惑になることはない。そしてそういう欲? って奴が原動力になって行動になるときだってある。ただいきなり触ったり失礼な事をするんじゃなくね。

 相手にいいように見せたりさ。そこに下心があったとして、それは悪いことか? 


「確かにお前達のような食べて寝てしかしなさそうなやつらには人は余計な事ばかりにとらわれてるように見えるのかもしれない。でも……だからこそ人や他の種族だって、繁栄してきたんだ。

 停滞してるお前達に言われたくないな」


 ただ自然と共に……って生き方を否定なんてしないけど、それだけでは僕たちという人類は居られなかったのだ。それはきっと向上心の違いで、そしてこいつは多分、そういう気持ちすらも汚れてる――と言ってる。けど、それは認めることは出来ない。

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