1706 前に進む為のXの問い編 79
「アーシアどうした? 僕だ、スオウだよ? わかるか?」
「スオウ……そうだよね。スオウ……だよね?」
「当たり前じゃないか」
そう言って僕は手を差し出す。するとアーシアは思わずと言った感じで身を竦ませた。
「ひっ……」
ちょっとショックが……いや、僕ってなかなかに可愛い顔してるらしいから、そんな反応された事無いっていうか。しかもさっきまでメッチャ慕ってた子にそんな風にされると心にグサッとくるものがあるというかね。とりあえず僕はシ○ガミ様を睨んだ。だってどう考えても原因はこいつだ。
僕とアーシアの絆がうらやましかったからきっとそれを破壊しに来たに違いない。
『そんなに睨む物ではない。彼女は知っただけさ。君たちの汚さを』
「汚さ?」
どういうことだよ? 僕はちゃんと毎日お風呂に入ってるし、汚いなんて事は無いぞ? いや勿論そういうことじゃないってのはわかってるけどね。
体の汚さとかそういうことじゃないだろう。もっと中身をきっとみてる。でも……
(それでも汚いかな? 確かに綺麗……とは言えないかもしれない。僕はそんな良い子……なんて思ってないしね)
でもそういうことなのか?
「アーシア、僕は君を傷つけたりしないよ。しっかりと感じてくれ」
そういって僕は差し出したままの手をじっと見る。そして勿論アーシアもみる。その目には確かなおびえがある。それは最初に会った時のような色をしてる。
でも……少しの……それこそ数時間程度の関わりでも、僕たちは一緒にここまで来た。それは確かで、そして蓄積された時間だ。
「うん……」
アーシアは僕を信じてくれた。そして僕の差し出した手をようやく取ってくれた。一瞬指先に触れたら引かれたけど、それでもおっかなびっくりって感じで手に触れてくれた。
「どうだ?」
「うん……スオウだね。スオウだ」
アーシアはそう言って僕にまた抱きついてきた。ちょっとこの子、振り幅大きすぎじゃないかな? でも、まあ嬉しいよ。僕は抱きついてきたアーシアの頭をなでなでした。
『見ても、それを受けいれるんだね』
そんなことをシ○ガミ様は言う。本当に一体何が見えてたんだよ? それだけ僕がおぞましく見えてたって、やっぱり幻覚的な魔法を使ってたんでは? と思えるんだが……
「もっとちゃんと見えるもん。スオウの中には綺麗なスオウがいるよ」
うん? どういうことなのか、僕にはさっぱりだよ。僕の中に僕がいるって……いや、本当にどういうこと? それを聞いてもアーシアは「よかったねスオウ」としか言ってくれない。なんだろう、感覚的な事で口にすることが難しいのかな?
前の数字の部分めっちゃズレてました! でも直すの面倒なので、次回からはなくそうかな? いや本当にメッチャズレてる。どうしてこうなったのか……なんか数字ってズレていくんですよね。