表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1705/2708

1686 前に進む為のXの問い編 78

「失礼な事を言うなよ。僕だって家族くらい知ってる」

『そうなのか? 君の心は泣いてるように見えるけど』

「そんな子供の時期はとっくに過ぎたよ……」


 適当に言ってるだけ……僕はそう言い聞かせる。いくらシ○ガミ様みたいな見た目だと言っても、結局はただ野生動物がちょっと知識と力を持った存在だ。

 そういう風に自分で言ってたじゃないか。こいつは本物の神ではない。だからいくらその能面のような顔で僕のことを見透かしたような気がしても、それは僕の反応を見るためにやってる当てずっぽうなんだ。

 本当にこいつが僕の心の中を見透かしてるわけじゃない……てか――


(僕はさみしいなんて本当に思ってないし)


 むしろ一人最高! って派閥だし。てかそんなかつての自分なんて忘れたわ。いつだって側に居てくれた奴がいたからな。それこそ日鞠だ。そしてその家族。僕にとっては、本当の両親よりも日鞠の家族達の方が家族と認識してるよ。

 むしろ本当の親は毎月お金だけ送ってくれる、親戚? いや足長おじさん的な? うん、きっとそんな感じだ。だから僕は家族を知ってると言える。

 だって家族って別に血のつながりだけじゃないって偉い人が言ってたもん。その理論で言えば、他人は本当の両親の方で、家族は日鞠の家族達ということになるね。間違いない。それに今は一緒に住んでる人達もいるし……これでもまだ家族を知らないなんてこの鹿はいうか? 


「スオウ……私と一緒だったんだね」


 そう言ってなんかアーシアの奴が僕の頭をなでなでしてくる。やめて……そんなんじゃないから。でも何故かその手を振りほどけない。気恥ずかしいんだどね。


『だが残念。君は私たちの家族にはなれない。家族となれるのは貴女だけ』

「いやだからならないって言ってるじゃん。強がりでも何でもないから」

「駄目だよ! 成ろうよ家族! 私はスオウが一緒じゃないとイヤだよ!」


 なんかアーシアのどっかのスイッチが入っちゃったのか、僕も家族にならないと絶対に駄目――的なテンションになってしまってる。


『無理なんだ。それはどうあっても……ね。存在が彼は違う』

「一緒だよ! ほら、こうやってふれあえるもん!」


 そう言ってアーシアは僕を抱き寄せる。すると案外あるその胸に……ね。こう……ふれちゃっうんだけど……どうやらアーシアは自分が女の子って意識があんまりないよね。


『もっと深くをみてみればわかるよ。君にも出来るはずだ』


 何をさせようとしてるわけ? なんかシ○ガミ様がアーシアの頭へとその鼻先を近づけた。そのとき、何か小さな光りみたいなのが、シ○ガミ様とアーシアの間で弾けたみたいな? すると突然、アーシアが僕を突き飛ばした。


「きゃ!?」

「アーシア?」


 さっきまでとってもきもちよく……じゃなくて、心地よく、そして安らぎを感じたのに、今はなんかアーシアからはおびえが見える。てか……なんかアーシアの目……その目玉に陣が浮かんでる? 絶対にシ○ガミ様の奴、何かしたな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ