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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1679 前に進む為のXの問い編 71

『そうなんでだね……君はそっちに行ってしまうんだね』


 そういうシ○ガミ様は落胆してるような声を出す。いや、声というか頭に直接響いてるから声といって良いのかは怪しいけど。


「鹿さん……」


 どうやら今の声はちゃんとアーシアへも届けてたみたいだ。それに僕へも脅迫じみた声は届けてない。珍しい。それほどそっちと僕とでどっちを選ぶかって事で、迷いなくアーシアが僕の方を選んだのかショックだったのかもしれない。

 ザマァである。偉そうにふんぞりかえってるからそんなことに成る。


「えっとね、でもこれから友達になるのなら……」

『良いのかい? こんな私でも?』

「う――ぐ」


 危ない、僕はとっさにアーシアの口を手で押さえた。アーシアは純粋過ぎる。そんなホイホイと安請け合いする物じゃない。それに相手はなんか腹の底が見えないような特別な存在だぞ? うん――と言った瞬間に変な契約魔法が発動しないとも限らないと思う。そのくらいあいつならしそうだぞ。


「スオウは私に友達増えるの邪魔するの?」


 プクーと頬を膨らませて不満を漏らすアーシア。別にそんなことはどうでも良い。けど……


「とりあえず、もっと互いを知った方が良いと思うんだ。ほら、お互い会う会わないってあるし、友達にもそういうのは重要だ」


 そんなに友達が居ない僕が言っても説得力がいまいちなのはわかってるが、でもこういうのは世間一般論的にそうじゃん。間違ってないはずだ。


「でもスオウの事そんなにしらないけど……」


 ぐっ、それを今言う? 案外アーシアも辛辣だな。


「僕は最初の一人だから。特別なんだよ」

「なるほど」


 アーシアがアホの子で良かった。そんな言い訳が通用するとは……助かったけど、これからがやっぱり心配だな。この子ちょっと誘われたら絶対にホイホイとついて行くよ。そして……いやこれ以上はよそう。護ってあげられる存在がちゃんと居れば良いだけだ。


「鹿さんは困ってるんだよね?」

『私たちは友達になれたのかな?』

「鹿さんは困ってるの?」

『友達になれたんだよね?』


 ヤバい、なんか友達って部分にメッチャこだわってるぞ。何かありそうだ。僕はとりあえずアーシアが下手にそこを肯定しないように意識を配っておこう。口を塞ぐことは一瞬で出来るからね。


『そこの存在は友達で、私は友達になれないの?』

「もっとお互いに知ってからでも遅くないよ! だからね。お話ししよう」

『私は君のことならなんでも知ってるよ』

「なんで……も?」

『そう、なんでも……ね』


 コツンと何故かわからないがそのひずめの音がやけに響く。その床、コンクリートか何かなのか? めっちゃ地面というか、幹の中に居るはずだけど……すると何やら視界の恥がざわざわし始めたような……僕はちらっと後方を見る。すると道が……というか、植物に覆われてどこにも逃げ場がなくなってる。どうやらあいつは僕たちをここから出す気は無いみたいだ。


(あいつが何かしてきたら容赦なく森ごと燃やそう……)


 そう決意して僕は色々と準備をすることにした。

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