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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1676 前に進む為のXの問い編 68

 鑑定の気持ち悪さが終わって「さて、次はどう来る?」――と僕は警戒してる。今この森の中の風を掴む事が出来ない以上、シ○ガミ様の一挙手一投足を見逃すわけにはいかない。

 何せ次の瞬間には体に穴が空いていた――なんて事が無いとは言えないからな。風が紡げれば……最悪な事態は回避する事が出来るんだけど……


(インベントリから風の札を出すか?)


 いつもインベントリにはそれぞれの属性の初歩的な魔法を発動してくれる札を大量に詰め込んでる。なにせ一つの枠で九十九枚まとめてストック出来るから便利なのだ。

 まあ勿論、それを貯めておくためにはそれなりのお金がかかるわけだけどね。よく使うのは一応上限いっぱいに貯めてるが、あんまり使いそうにないのは、まだ上限まで達してない札もある。


(一応自然の風とは違うから、シ○ガミ様の妨害を受けないと思う……けど、どうだろう?)


 そこはやってみないとわかんないところだな。この森の中全てを支配してるようなシ○ガミ様だからこそ、森にある風にも妨害が出来るんだと思ってるんだけど、もしかしたら取り出した札から生み出された風にもその妨害を出来る可能性はある。


 それに懸念は別の所にもあるしね……


(下手に動くと刺激しかねないからな……)


 一応まだ敵対してはない――と思う。でももしもインベントリから札を取り出して風をまとったら、それをシ○ガミ様がどうとらえるのかはわからない。

 万が一に備えて――なんて言っても向こうからしたら良い気分ではないだろう。


『こんにちは、来てくれて嬉しいよ』


 頭にそんな声が響く。それはきっとシ○ガミ様の声だろう。男のような、女のような、何か不思議な声だ。二つの声が重なってるようにも聞こえる。


「こんにちは。貴方が私に会いたかったの?」


 アーシアはちゃんと挨拶を返してから首をコテンとかしげる。


『ああ、そうだよ。君が目覚めたと聞いてね』

「アーシアの事知ってるの?」

『君は自分が何者なのか、覚えてないのかな?』

「アーシアはアーシアだよ。それていいの」

『ふふ、そうだね』


 なんだかシ○ガミ様はとてもアーシアに甘いらしい。笑ってるような声が聞こえてくるけど、実際その顔は微笑んでさえ居ない。まるで顔を貼り付けてるだけのようだ。

 LROなら表情を作るくらい簡単だろうに……むしろ逆にポーカーフェイスを作る方が大変だったりするよ。まあ人と比べるのは間違ってるかもしれないけどね。

 

『それならそんなアーシア嬢にお願いをしても良いかな?』

「なに?」

「ちょっ――!?」


 なんか変な頼み事でもされるのはどうかと思って、横から割って入ろうと思って声だした。でも……その声は最後まで声になる事はなかった。こっちからは声を発してるつもりなんだけど、声が出ない。音にならない感じだ。


(これはあれか……シ○ガミ様の邪魔するなって警告か?)


 そうとしか考えられないよね。

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