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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1694 前に進む為のXの問い編 56

「さて……」


 どうしようか? とりあえず話を聞いてるが、実際彼女自身、どうしてここに居るのか、自分がどういう存在なのか……わかってないみたいだ。ただ目覚めたらこの場所に居て、歩ける範囲を探索してた……みたいな。

 小さかったから無茶せずに、隠れながら生活してた……とのこと。食事とかどうしてたのかとか聞いたら、別段何かを食べてた……とかは無かった。むしろ「食事?」ってな感じで首をかしげられた。

 どうやら彼女には食事は必要ないようだ。まあそれか別の手段でエネルギーを得てたのか。僕は彼女が寝てた場所を見る。別に一緒に寝たいとか思ってるわけじゃない。

 てか、大きくなってしまったから彼女はもうあそこで眠ることが出来ないような……なにせ小さかった彼女がすっぽりと収まるようなぴったしのサイズ感だ。


 流石に今の彼女には狭苦しいと思う。


「これからどうするの?」

「これから?」

「僕もずっとここに入れるわけじゃないから……」


 そう言うと彼女はすぐに僕の胸に突っ込んできた。抱きついてきた――と言っても良いけど、それには勢いがね……強い。ぶつかられた瞬間に「ふごっ!?」って声が出たし。


「駄目! ヤダ!」


 そう言って彼女は僕に頭を押しつける。それと同時にそのナイスなボディのいろんなところが当たってくる。わざと? わざと女の武器使ってる? 


「そうは言うけど……どうにかしてここにこれるようにするよ? ここを持ってる奴に色々と事情を話せば、多分わかってくれると思うし」


 会長なら色々と便宜を図ってくれると思う。まあその場合、何かやっかみ受けそうではあるし、僕をひいきしすぎると会長の立場が悪くなる――可能性もあるからあんまりやりたくはないんだけどね。でも実際、そのくらいであいつが揺らぐはずもないって言う確信もある。

 でも足手まといには成りたくないって思いも強い。けどこの場合はしょうがないよね。流石にこの子をこのまま放置して知らない振りは出来ない。そして関わろうと思ったら、会長には言わないと駄目だしね。


「一緒に行くの!」


 そう言って頭頂部をぐりぐりとやってくる彼女。案外痛いからねそれ。ふむ……僕はちょっと考える。そして口に出した。


『そもそも君ってここから離れられるの?」


 ここってなんか特別な感じになってる。どっちが先かはわかんないが、特別な場所だから彼女が生まれたのか、特別な彼女が生まれたからここが特別になったのか……とりあえず特別な存在ってその場所に縛られる事ってあると思う。

 彼女は食事とかしてなかったみたいだし、もしかしたらここの特殊な何かがそういうのを知らずに彼女に補給してたのかもしれない。そうなると、下手に離れるのは不味いような……


「大丈夫! 皆が行ってきて! って言ってるもん!」

「皆?」

「うん、皆だよ」


 そういう彼女の周囲には小さな光がフヨフヨしてる。多分彼女が言う皆ってのはこの小さな光だと思う。保護者的な存在なのかな? わかんないがそういうのだと思ってよう


(成長したから……かな?)


 成長したから、旅立つときが来た……みたいな? 連れ出せるのなら、一緒に行っても良いとは思うが……でもそれでも僕はずっとこっちにいられないからね。どうするべきなのか……難しい。

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