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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1687 前に進む為のXの問い編 49

「う、うーん」


 そろそろつぼみの幼女が起きそう。ここから姿勢を変えるわけにも行かないから、とりあえず僕は片膝を立てて頭を垂れてそのときを待ってる。なんだろう、姫の目覚めを待ってる騎士みたいだ。ちょっと酔っちゃうかも。リアルでしたらただの痛い奴だけど、LROならそういう酔った行為も許される風潮ある。


 まあ別の自分になれる場所――だからな。


「…………」


 さっきからつぼみの幼女はちょっと声を出しつつ寝返りを打ったりしてる。してるからもうすぐもうすぐ……と思ってたんだけど……既に三分くらい経ってるよ。さてはこの子、眠りが深いタイプだな? さっきから小さな光が頑張ってるんだけど……それでも彼女は起きない。起きそうで起きない。


「んにゃむにゃ……もう、食べられないよ」


 なんて定番な寝言を……もう諦めても良いんだけど、何か格好悪いからな。ここは劇的な出会いを演出したい。なにせ普通な出会いだとこの子逃げそうだし。

 

 しょうがないから、こっちからも少し刺激することにした。風を送り込んでみる。さわさわと彼女の髪が揺れる。けど……


「駄目か」


 てかこのくらいの刺激なら、この小さな光達もやってるしね。それで起きないんだから、この程度では駄目だろう。でも風だと……ね。そんなことを思ってると、僕が支配して流してる風に光の粒達が寄ってきた。そしてその風に混ざり出す。キラキラとより綺麗に成った風が、幼女の周りで輝く。


 すると何やら音が聞こえてきた。何やら弦を弾いたときに聞こえるような、ピーンとかリーンとかそういう余韻のある音だ。僕は勿論そんな音を出してない。

 てか楽器もなくそんな音出せないし。けど聞こえる。そしてその音色はどんどん多く、そして複雑に成っていく。まるでこの場に音楽隊でもいるかのよう。


 まあそれでもなかなか起きないんだけど……でも確実に届いてる気はする。なにせなにやら幸せそうになってる。顔が。そして時折口ずさむ声もこの音楽のリズムを刻んでる。

 何か既に僕の支配を離れてるような気もするけど……音はどんどんと盛り上がっている。すると不思議なことに風に色がついてきて、更にいつの間にか僕は風帝武装されてた。

 風のヴェールが僕の体を包んでる。しかもいつよりも何か輝きがついてる。これはきっとこの小さな光達の影響だろう。不思議なことが次々と起ってる。でもなんかただこうしてるのが良いんだと思って僕はそのままの態勢だった。

 そして次第に音も尻すぼみになっていくと、ようやくつぼみの幼女はおぼろげな瞼をこすって目を覚ました。そして僕と彼女の視線が交差する。

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