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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1686 前に進む為のXの問い編 48

 キラキラとした花畑の中心で眠りにつくつぼみの幼女。彼女が僕に近寄ってきたあの幼女で間違いは無いと思う。なかなかに幻想的な光景で、見惚れてしまうな。


 それだけ、その空間は特殊だ。変な空気に変な花、そして中央にはつぼみの幼女。確かに彼女はそこに居る……けど……


『クスクス、クスクス』


 となんか笑い声のような物が聞こえる。確かに彼女はそこに居るし、他に生物的なコードは見えない。敵と思えるような存在はここに居ない。

 なのに……確かに聞こえるそんな声。


「風で流してたはずだけど……」


 ここの花粉を吸ってたか? それくらいしか候補がないけど……


「さて、どうしようか?」


 ある意味でこうやってるのも結構犯罪的というか……幼女の寝姿を眺めてるわけだからね。リアルなら案件物だろう。かといってもう満足してここから去る――ってのも何かもったいない。せっかく貴重な光景が見れてるしね。

 それに次はここにいつ来れるかなんてわかんない。なにせここはテア・レス・テレスが開放してない場所だ。来ようと思ったら、それこそ会長にお願いするしかないだろう。

 会長以外が僕にここの立ち入りを許可するなんて思えないからね。そうなるとここで引くのはもったいない。かといってこの芸術のような光景を自分で壊すのは気が引ける。本当にどうしよう……と僕は思ってる。すると何やら視界の端でコードが揺れた。そしてそれはどんどんと沢山集まってきてるような……


(なんだ? ってそっか、コードにしてるからよくわかんないのか?)


 僕は普通の視界にして見てみた。するとそこには沢山の光が集まってる。存在……というほどに確かな物じゃない。でも、それは確実に居るみたい。


 さっきから聞こえる声の正体は、この不確かな存在なんだろう。幻想的な場所がさらなる幻想的な場所へと進化してる。こうなるとますます興味がわいてくるな。……なんなのあの子? 実は会長の秘蔵っ子とか? でもそんなこと一言も言ってなかったし……この特殊な地で特殊な誕生をした新たなモンスター? でもモンスターって感じでもないんたよね。

 モンスターなら戦えばいいわけだけど、流石に幼女と戦うのは気が引けるし……そもそも向こうは寝てる。幼女の寝込みを襲うとか……犯罪臭がものすごい。


 そうこうしてるうちに、何やらその不確かな存在がどんどん集まってきて、幼女の周りでいたずらし始めた。なんか髪引っ張ったり、頬を突っついたりしてるようにに見える。

 何、起こそうとしてくれてるのか? でもこの状況で起きて目があってもどう反応して良いのかお互いにわかんないかも……そうこうしてるうちにうざったくなってきたのか、つぼみの幼女が「ううーん」とうめきだした。これは目覚めも近いぞ。


 どどとど、どうしよう……とりあえずひざまずいてるか。目線を同じ高さにしておくと良いって言うしね。なのでとりあえず腰を下ろして、片膝立てて、傅く姿勢になってみた。

 うん、なにやってるんだろう僕。

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