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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1676 前に進む為のXの問い編 38

(ようやくか……)


 僕は心の中でそんなことを呟いてた。この臆病なつぼみの幼女を誘うためにこの砂浜のヤドカリが一体何体犠牲になったか……それだけの時間が過ぎてるよ。いや、良い感じにヤドカリもどきは成長出来てるからまだ良いけどね。

 自分の成長要素には何一つならないよ。僕は結構緊張してる。このつぼみの幼女が何をするのか……はっきり言って何か危害を加えられそうな見た目では全然無い。

 でも……だよ。自分の想像の範囲外の何かがあるとも限らないのだ。そういうことがあるのがLROだと思う。僕は意識を向けないようにしつつ、めっちゃ幼女に意識を向けるという器用な芸当をやってのけていた。

 はっきり言ってめっちゃ疲れる。自分自身では意識を薄くしてて、その意識をなんか風に移してるような……そんな感じ。だから掴んでる風はめっちゃ敏感になってる。

 でも体はボケ~としてるって言うね。けどおかげでつぼみの幼女は警戒心をかなり緩めてる。目的があるから近づこうとしてるのなら……なにか……きっと何かが起きるとおもう。


 もう既につぼみの幼女はそこにいる。手を伸ばせば届く距離。そーっとその小さくて短めな腕が伸びてくる。僕は全く観てない風を装いつつ、「来い来い!」と念じてた。


 そしてついにはそのつぼみの幼女の手が僕の背中側に触れる。その瞬間、なんか暖かい何かを感じた……気がするけど……気のせいかもしれない。


「やった」


 そんな小さな声が聞こえたから、多分彼女は目的を達したんだろう。そうしてつぼみの幼女は今度こそ、僕から離れていく。ここで捕まえて何をしたか吐かせるか? とか考えたけど、こっちも何かつぼみの幼女の情報が欲しいから、コードを一部盗んでみた。まあ盗むというか、コピーを簡単に取るって感じだけど。しかも風でなでるようにして得られるのは表層だけだから、意味があるかはわかんない。


「むっ消えた?」


 今までもつぼみの幼女は消えていた。見えなくなるスキルなのか、種族的な特性なのかわかんないが、そういう風になってた。でも今起ったことはそんなちゃちいもんじゃない。

 今までは透明になっててもコードを観る方の目にして無理矢理観てた。まあようはズルみたいなものだ。けど、それでも見えなくなった。どういうことだ? 一応彼女が離れたところで、遠くから観察して、どこに行くのか見定めようと思ってたのに……突然つぼみの幼女は忽然と姿を消したんだ。


 その最後に見失ったところに行ってみたが……何か痕跡がある訳でもないみたいだ。コード的な痕跡持つなってのもおかしな話だけどね。


「結局あの子は何をしたかったんだ?」


 僕はあのつぼみの幼女が最後に触れた腰あたりをさする。何かなってるのか? と思って、服をめくって見てみる。すると、なんか赤くなってるような?


「いや、気のせいか?」


 ちょっとよくわかんない。

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