表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1662/2701

1673 前に進む為のXの問い編 35

「こ……殺さないで……」


 そんな事を言う幼女は頭にお花がある。まあお花というか、正確にはお花のつぼみだ。まだ花開いてない。草みたいなワンピース着てる。小さなキャラを作ったプレイヤーって線も考えたが、ここはまだ会長が解放してないみたいだからな。


 ならそれはない。となると……これはNPCだ。NPCだけど、ここってテア・レス・テレスのエリアなんだよね。いや、テア・レス・テレスのエリアだと言っても、LROの世界にちゃんと登録されてる。だからレスティアには沢山のNPCがいる。


 でもレスティア以外でNPCは見たことない。今のところ、このテア・レス・テレスのエリアはとても広大だけど、でも、都市はレスティアしかない。だからNPCは街の外に出る必要が無いんだろう。

 レスティアだけで、生活は完結出来る。そしてレスティアの警備とか運営とかは全てテア・レス・テレスがやってるから、都市の経営に関わってるNPCだって別に居ない……


(居ないのかな?)


 ちょっとそこら辺はよくわからない。レスティアの警備の兵にNPCがいつの間にか紛れてるって事はあってもおかしくない。まあだからここにNPCがいても……いても……


(流石におかしいか……)

「ひっ!?」


 なんかめっちゃおびえてる。しかも僕の後方を観て。ん? と思って後ろを見ると、ヤドカリもどきがそのハサミをチョキチョキしてた。脅すなよ。


「大丈夫だよ。殺したりしないし」

「やっ……やっ……」


 なんかめっちゃ怯えてるな。ちょっとショック。自分の顔はそんな強面では無いと思ってる。むしろ優しい方というか、薄い方だよ。美青年……なんて言う気は無いが、不細工ではないはず。

 濃い顔ではなくて、優男だから! 体だって別に筋肉もりもりじゃないから、圧迫感とか無いと思う。


「大丈夫、大丈夫、何もしないか……ん?」


 すぅ~とその子が消えていく。体がどんどんと透明になっていくかのように消えた。そして僕の視界から消えた。


(コードの方なら……)


 そう思って切り替えると、その子が海岸から離れていくのが見えた。砂浜だから普通なら足跡とか残ると思うんだが……けどよく見たらあの子……普通の足じゃない。なんか木の根のような物がうねうねとうねってる。でもそれでも砂なら跡とかつきそうだけど……


(ふむどうしようか?)


 ここであの子を追ったとして、どうなる? けどこんな場所に居る存在に興味はある。其れにあの子がどんな存在かってことも……ね。なんか謎だし……コードを見る限り、やっぱりプレイヤーではない。でもNPCでもないような……どっちかというとモンスターに近い。けど、モンスターにしては情緒豊かだった。

 それにモンスターにしては可愛らしすぎる。とりあえずあの子が消えたって演技をして、見失った感を装ってみた。それからどういう行動を取るのか、ちょっと観察しようかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ