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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1662 前に進む為のXの問い編 24

「よし……なんとか? なった?」


 目の前にはなんとか形をなしたヤドカリが居た。うん……なんとかってのは、なぜかちょっと違うからだ。何が違うかって? それは色もそうなんだけど……その形もなんか違う。えっとね……なんかテクスチャがおかしい。

 いやこれはモデリングからなのかな? さっき海岸で戦ってた……というか遊んでたヤドカリは本当にリアルで、リアルなヤドカリを大きくした感じだった。

 手触りだってきっと再現してただろう。まあ手触りはこの僕が生み出したヤドカリも一緒ではあるけどね。


(でも、だからこそ違和感っていうか……)


 だってめっちゃつるつるしてるヤドカリだよ。四角い体、長方形の脚、三角錐のような宿、そして二等辺三角形を組み合わせたようなハサミ。

 要は子供がおもちゃの積み木か何かで作ったかのようなヤドカリが出来てしまったんだ。いやいやおかしくない? おかしいはずだ。だって僕はそこらで動いてるヤドカリのコードを丸ごとコピーしたんだよ? そしてそれをこいつに移植したのだ。それでなんでこうなる? 

 最悪、同じ物ができあがるはずだろう。だってコピーしてるんだからね。パソコンとかで文章コピーしてペーストしたら、別の文章が出てきました――なんて無いじゃん。


 そんなことがあったらホラーだよ。でもね……そのホラーが起ってるんだよね。こわいよ……


「おお……なんだ? もしかして喜んでる?」


 なんかできあがったオモチャのようなヤドカリが僕にすり寄ってくる。こうなるとちょっとは愛着が出てくるというか……最初は不気味に見えたんだけどね。なにせ形もそうだけど、なんか色も……ね。既にゆでられた? みたいな真っ赤なんだよね。なぜに? 


「うーん、手触りはコピー元と同じでリアルなんだけどぁ……」


 そこは上手くいってるんだよね。でも見た目がアレだからね。むしろギャップになってる。違和感しかないって言うか。もしかしたらコピーもペーストも僕が独自に行ったことだから、そこに問題かあってコードのコピーが上手くいってなかったのかもしれない。

 というわけで、僕はこのヤドカリを伴って再び砂浜に来た。


(てか、移動出来るんだ)


 このヤドカリはあの場所に配置されたボス的なヤドカリが元になってる。だからもしかしたらあの場所から移動出来ないのでは? 的なことを考えたんだけど、そんなことは無かったらしい。


「とりあえずこいつのコードと野生のヤドカリのコードを比べてくしかないよな」


 根気が必要な作業になりそうだ。

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