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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1658 前に進む為のXの問い編 20

 自分がやりたかったことがちゃんと出来た。それは達成感となって胸にこみ上げてくる。誰も居ないし、賞賛なんて無いけど、だからこそかみしめることが出来るっていうか? 別に誰かに褒めてほしいわけじゃないしな。


(でも日鞠には言いたい気もするな……)


 自慢って訳じゃない。ただ日鞠がどんな反応するのかなって期待だよ。達成感に浸ってたけど、僕はふと気づく。


「あれ? これって対象を倒して無くて、どっちかというと壊したって感じだから、もしかしたらあのヤドカリに設定されてたイベント起きない?」


 僕は重要なことに気づいてしまった。やる前はただあのヤドカリを倒すことだけを考えてたんだ。そのやり方まで考えてなかった。いややり方はめっちゃ考えたか……その正当性って奴ね。どう考えても僕がやった倒し方は正当性のかけらもない。


「いや……でも祝福は普通にLROにあるし……」


 そう考えると僕のやったやり方だって一つの正解ではないだろうか? だってシステムに祝福という力は組み込まれてるわけで……誰かがこんな倒し方をするって想像しててもおかしくない。うん……なので……


「僕は悪くない」


 そういう結論になるよね。いや、誰に言い訳したって意味ないんだけど……とりあえず会長に連絡取って、もう一回ヤドカリを出してもらうか? 多分だけどそのうち待ってたらポップするとは思う。


「ポップするよな?」


 どうだろうか? あのヤドカリをシステム的に破壊したわけだからね。もしかしたら……二度とポップしない……なんてことなってるかもしれない。その場合は会長に自慢……するどころか土下座をしないといけないかもしれない。


「うーん、結構やばいかも?」


 ヤドカリの残骸を見る。普通ならオブジェクト化したらすぐに消えて無くなるはずだけど、なぜか消えるペースがヤドカリは襲い。いや既にヤドカリだった物――なんだけどね。なにせもう元の形はなくて、ただ情報を内包してるオブジェクトでしかないからだ。


 そこで僕ははっとした。


(これから復元出来るのでは? 僕には再生の能力とかスキルなんて物は無い。けどさ、会長の奴だってコードを改変して色々とスキルとしてないこととかやってるじゃん。そう、祝福の可能性は無限大。なら一度壊した物をもう一度復元するって事も出来ると思う)


 けど懸念もある。


(僕自身にそれだけのコードへの理解力があるか……って問題が)


 はっきり言って壊すのは簡単ではあるんだよね。なんたって余計な物を挟み込めばその歯車は支障を来す。だからまあ、なんだっていいってことはないが、完全に理解する必要はないんだ。でも元に戻すってなると話は違う。


 ちゃんとコードを理解して完璧に再現しないと、元に戻った――とはいえないだろう。それが出来るのか……いや、やっぱり破壊したのはまずいからね。一応挑戦だけでもしてみよう。

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