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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1657 前に進む為のXの問い編 19

 晴天の海岸にバチバチという音が響く。雷帝武装が成り立ち、周囲に知らせるような音を発してるが、多分大丈夫だろう。直上したときにこの辺りを見回したが、本当にプレイヤーはいなかった。


(ということは、これって会長の奴が用意したんでは?)


 だってまだ開放されてないエリアに飛ばされたとしたら、それを用意してるのはテア・レス・テレスのトップである会長しかない。いや、実際この広大なエリアを会長一人で拡張してるわけじゃない。けどもちろんだけど、テア・レス・テレスはトップのチームだけあってその数はめっちゃ多いわけで、そいつら全員がエリアをいじくり回してたら、滅茶苦茶になるのは必至だ。


 だからこそ、実際にエリアをいじれるのは、多分だけどちゃんとした許可をもらった奴か、それこそ初期メンバーくらいだと思う。そして初期メンバーっていったら、つまりは生徒会だ。いや、今は前期生徒会か。まあ実際メンバーほぼ変わってないんだけどね。むしろなんか僕が正式に生徒会に入らされたくらいの変化しかない。

 前から確かに生徒会ではあったけど……なんとかいうか? 幽霊部員みたいな感じだったからね。

 別にいつもは居なくても良いけど、人手が足りなくなったら召喚する――そんな便利キャラだったのだ。でも摂理が会長になったから、なんか僕を組み込まれてしまった。まあそれなら僕にもいじれる権利を……とか願えばくれるのか? いやいらないか。テア・レス・テレスに組する気は無いんだよね。


(これが会長の奴の差し金だとしても、好奇心は止められないんだよね)


 今は自分が一撃であのヤドカリを葬れるのか……それが気になってしまって仕方ないんだ。出来る……という自分と、いやいやまだ無理だよ――っていう自分がいる。

 でもだからこそ挑戦したいんじゃん。僕はヤドカリをまっすぐに見据える。そして地面を蹴った。音が鳴ることはなかった。なぜなら、雷帝武装は音を置き去りにするからだ。僕は次の瞬間にヤドカリの後方へと抜けて崖に落ちる寸前のところで止まった。そして僕が止まったと同時に――


ズガァン!!


 ――という雷が落ちたような音が響く。僕が通り抜けた直線は焦げたような跡が残ってた。そしてくだんのヤドカリはというと……その宿に赤い剣筋が痛々しく残ってる。

 でも別に真っ二つ担ったりしてるわけじゃない。二本の線が斜めに入ったヤドカリはようやくその体をもぞっと動かし出した。


「駄目か?」


 そうつぶやいたが、次の瞬間、そのヤドカリの体が崩れ出す。それもLRO自体ではあり得ないような崩れ方だ。このゲームちゃんと死に様もリアルだったりする。そこは賛否だったりする。まあ死体が残ったりしないのは勿論リアルじゃないが……その死ぬ直前なんかは時代劇で斬れらた人が死んでくようにちゃとそういう死に様って奴を見せる。


 けどこのヤドカリにはそうじゃなく、その体がこの世界がゲームだと、それこそ作り物だとわかるかのように消えていく。ヤドカリの体が四角いオブジェクトの塊に戻って消えていくんだ。

 これは明らかにあのヤドカリが倒されたと判断した消え方じゃない。そう、いうなればあのヤドカリがシステム的に壊された……破壊されたとかいう感じだと思う。


「よし」


 僕は自分が目指してそしてそれをちゃんと出来たことに喜んだ。

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