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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1651 前に進む為のXの問い編 13

 屋根を伝って僕は花の城を目指す。地上ではテア・レス・テレスと

普通のプレイヤー達が色々ともめてたりするが、屋根の上は平和なもんだ。


 さっきまでは普通に屋根の上でドンパチやってる奴らは沢山いた。でも今や取り残されて震えてる数人くらいしかいない。なんとかここならテア・レス・テレスから見つからないから、丁度良いっておとなしくしてる奴らとかね……


 ちゃとゲームとしてスキルが適用されて、体がリアルよりも軽く動く時なら、屋根から屋根に飛び移ったり、素早く動いたり……それこそ万が一転げ落ちたってどうにかできる――って皆が思うから、問題はなかったんだと思う。

 けどそれらスキルの恩恵がなくなったら、やっぱりだけど屋根で暴れるのはリスクが高い……というよりも、多分心理的にただ怖いってのがあると思う。

 もちろんリアルに比べたらLROは安全だ。だって万が一屋根から落ちたって死ぬことはない。リアルなら屋根から落ちたら骨折くらいは確実に覚悟しないといけないだろう。二階建ての建物だったとしても、屋根だときっと三階と変わらないくらいの高さだろうし、骨折レること自体がリスク的に最低限だからね。

 最悪は死ぬ。そんな印象があるから、ゲームとしての恩恵が無い今では、こういう場所を走ってる奴はいない。僕くらいだ。


 まあなぜにこんな軽快に僕が屋根の上を走れるのかって言うと風を掴んでるからである。風を掴むってのはスキルには分類されてないからね。祝福自体はパッシブ的なスキル? なのかもしれないが、その技術自体はスキルじゃない。じゃあ祝福は何を与えてくれてるのかって話になるが……それはよくよく考えてもわからない。

 コードを見るって権限を与えてくれてるのかも? でも今でも見えるからね。一応スキルはパッシブな奴も全部レスティアでは使用不可というか、強制的に無効化されてる。

 勿論祝福だってその範囲内に含まれてるはずだ。でも……視界を切り替えることが僕には出来る。別に視界を切り替えて風を掴んでるわけでもないけどね。

 もしかしたらこの眼についたスキルとかになってる? いやいや……僕は自分の目がどうなってるのか考えるのが怖くなってくるよ。


 結論としては今の僕はテア・レス・テレスの権限によるスキル封じもあんまり効いてないって事だ。勿論風帝武装とかは使えないけど……


(使えないのか?)


 ちょっとはてなだな。よく考えたら、あれって可視化できるほどに風を集めてるだけ……いや一応布のように色つけ足りしてるかな? でも風を同じくらい集めたら出来そうな……一定以上の風を集めたらシステムが風帝武装が可能だと判断して、そういうコマンドが出てきた風帝武装が完成……とかだったのかもしれないが、そのシステムの補助の部分を自分でやれないわけもない。

 なにせ僕にはコードが見えてるからね。もしかしたらこんな事態がこれから無い――とも言えないし、こういう事態も想定して使えるようになってた方が良いのかもしれない。


 そんなことを思って花の城を目指してると……目の前に黒いフードをかぶった奴がいた。だからんとした両手には小刀を持っている。

 最初に僕を襲ってきた刺客……こいつのせいでこんな事になったんだよね。よく追いつけたなって思う……けどこいつは選択肢を間違ったと思う。

 今僕の目の前に現れるべきではなかった。僕だけが城に行ってももしかしたら厄介なことになる可能性はある。一応こっそりと会長に接触するつもりだけど……その時にこいつを手土産にしてたら、何かと良いかもしれない。

 そう思って僕はニヤッと悪い笑みを浮かべた。鴨がネギしょって現れた――みたいな?

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