表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1638/2701

1649 前に進む為のXの問い編 11

「ちょっ!? なんで!! 止めろよ! いやせめて遠巻きにしてろよ!!」


 僕はなぜか参戦してきたプレイヤー達にそういった。いやだっておかしいじゃん。普通は町中で戦うなんてしてる奴らは大体遠巻きにされるか、晒されるか……とかだぞ?


(うん? 晒される?)


 なんか嫌な予感が……そう思ってると、更に次々にプレイヤー達が現れて我も我もと僕の敵へとなっていく。くっ、そりゃあね……僕が嫌われてるのは知ってるよ。なにせ僕はここレスティアを納める最大チーム……というかLRO内の最高峰のチームに喧嘩を売ったと有名だからね。

 実際はヴァベル・ワンは返したし、会長の計らいもあって指名手配されてるってことはない。でも、どうやら僕の首には賞金でもかかってるみたいだ。裏の方ではそうらしい。そして別に僕を狙うのはそういう裏の奴らばかりじゃない。ただ単に名前を売りたい奴とか、正義感に駆られた奴とか……リアルなら静観するような事でも、ここ『LRO』でならやっちゃえ!! となる輩が多い。

 なにせリアルでは出来ないことを、我慢してるようなことをしても良いのがここだからだ。


 まあそれでも一時期よりはおとなしくなってた。僕が顔を隠しながら行動できる程度にはレスティアも落ち着いてたんだよね。それはそれなりに皆が僕の強さと早さを知ってるからだ。一人でも……少なくともワンパーティーくらいで挑んだくらいでは逃げられるか返り討ちに遭うか……って事がわかってるからだ。

 それに案外、誰かが動かないとやらないって奴は多い。自分が真っ先に動くと、責任とか色々とかかってくるからね。だから僕の存在は癪だけど、静観してた奴らはいっぱいいた。


 それがこの刺客の大胆な行動にそれまでそんな感情をためてた奴らが触発されたんだろう。というわけで、レスティアの町中が大変なことになってきた。


 僕はとりあえずこの眼とその速さを使って襲いかかるプレイヤー達の攻撃を躱し続ける。でもふと思う。


(これって、一度ここで倒されてた方がある意味良いのでは?)


 刺客は厄介だけど、それ以上に厄介なことになってしまってる。でも刺客はこれからも僕に襲いかかってくるかもしれないが、他のプレイヤー達はどうだろうか? 刺客がレスティアで僕に襲いかかってくる度に、他のプレイヤー達も僕に襲いかかってくるだろうか? 一度や二度は乗ってくるとは思う。 

 でも何回もやってる内に僕へのヘイトも薄くなってく行くはず。そうなれば、刺客だけを相手にすればいいってことになる。こんな状況が続くくらいなら……はっきり言って刺客だけを相手にする方全然良い。

 そう思ってたのに……


「邪魔、するな」


 そう言ってさっくり、加勢に来たプレイヤーを刺客の奴が攻撃した。そうなるともう滅茶苦茶だよ。刺客の奴は分身を使って様々なプレイヤーに斬りかかって敵対して、それに反撃したプレイヤーが別のプレイヤーを攻撃して更に――とその連鎖が広がっていく。


 いつもなら穏やかなはずのレスティアの街が阿鼻叫喚の地獄絵図へと変わっていく。


「これって僕のせいじゃないよね?」


 これが僕のせいとか言われたらたまった物じゃないぞ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ