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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1643 前に進む為のXの問い編 5

「自主的なアレなのか、それとも誰かから頼まれたのかな?」

「おとなしくして、我らについてくるならよし。そうじゃないのなら、ログインする度にお前の前に現れて嫌がらせしてやる」

「なんという陰湿な……」


 何こいつら? 僕にどんだけ恨みあるんだよ? 


「別にお前に恨みはない。ただお前が一番の候補者だっただけだ」


 候補者? 立候補者とか? いやいや、最近選挙やってたからその思考になってるな。僕が手を上げたわけじゃないから、こちらさんが勝手に僕含め数人をこうやって襲う候補にしてたって事だよね。うん……迷惑!


「えーと、話し合えるんなら、まずはお話を聞くのも言いんだけど?」


 そう言うと僕を取り囲むようにしてる奴ら……八人くらいのフードをかぶった奴らは小刀のような武器を取り出した。刀身からポタポタと紫色の物がしたたり落ちてますね。


(どう見ても毒だし……やる気満々かよ)


「戦う必要ある?」

「少なくとも、我らが厄介だとお前に認識させておくことが必要だろう?」


 なるほどね。まあ実際、このゲーム、そこまでデスペナリティがつらいかと言えばそうじゃないしね。いや、スキルの為のポイントを失うのは痛くはある。時間でしか得れない物だし。でも積極的にプレイヤーキラーをするメリットってあんまりない。相手の装備が得られるとかじゃないからね。


 殺したら相手のアイテムボックスの中身が散らばって拾って回れる……とかならある意味でやる意味はあるかもしれないが、LROはそういう仕様じゃない。


 べつにPKやれるけど、スリリングなプレイをしたい人向けの要素だよね。一応闇の世界にはそっちでしか得られないスキルとかあるらしいけど。


 でも執拗に狙われるってのは案外やっかいだ。ログインする度にこいつらがひゃっはーしてきたら、それはとても嫌だといえる。気まぐれなPKに一回殺されるとかなら、まだ事故だったか――って考えるけどさ。

 毎回こんな奴らに狙われるのは困る。そしてそれが厄介な相手なら尚更。それをわからせる為にも、ここでこいつらは引く気はない……と。


 楽勝な相手だと、いくら絡まれようと脅威とは見なされないからだろう。厄介な相手につきまとわれたら、無視できない。


(だからっていつだって僕の行動を監視できるわけないと思うけど……)


 脅しだと思いたい。とりあえずどうしようもないのなら先制攻撃……したいけど、そうしたら町中でこっちから手を出したことになる。それはこっちに不利だ。

 この状況で僕のスピードを生かすのであれば……僕は素早く足下に強烈な閃光を発生させるアイテムを転がした。それが火を吹く前に目を閉じて準備を整えて、そして数秒数えて直上に飛び上がった。

 風をつかみ方向転換するつもりだ。でもそこで予想外のことが起った。


「げっ!?」


 なんか目の前に居るんですけど!? バレてたか? にしてもこいつも相当の早さとジャンプ力を持ってるな。まさか同じくらいの高さまで助走なしで跳べる奴がいるとは……そして奴は小刀を振るう。けど近づきもせずにそれの刀身が届くわけもなし。でもどうやらそうじゃない。奴の狙いはその小刀からあふれてる毒みたい。


 そこまで強力なのかは知らないが、当たって良いわけもなしだし僕は避ける。するとそこに別の奴が足へと組み付いてきた。そして片手でもった小刀を僕のふくらはぎへと刺してくる。


「づっ――この!!」


 僕はフラングランを抜いてそいつの腕を切った。小刀とそれを握る手を残して一人は落ちるが、まだまだ敵はいる。僕は風をつかんで横に跳んで、屋根に落ちる。それを追いかけてくる刺客達。


 すでに厄介だと認識できたんで、やめてもらって良いですかね? そう言ったら止まって……くれないよね!!

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