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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1638 校内三分の計編 248

「えっと、私はいっぱいイベントやりたいです。会長になったら、沢山のイベントを執り行います!」


 なんか生き生きとした感じで再び始まったディベートでそんなことを摂理が宣言してる。すでにもう生徒会長という椅子が決まったかのような物言いだけど、別に誰もそれに反論はしない。いやディベートだからね。一応そこは日鞠がもっと深く突っ込んだりしてる。


 確かにいっぱいイベントをやるにしても、それなりにすでにやってるし、一学期に出来るイベントは流石にない……と思う。強行しようと思えば出来るとは思うけど……それはあくまでもこの学校だけでのイベントなら……だしな。


 まあ摂理は日鞠と違って、この学校でだけ影響力がある生徒会長で良いとは思う。外の方はスーパーな生徒会長である日鞠様に任せれば良いんだ。

 なら小規模な何かをやってくのがいいんだろう。でもそこんところの具体性が全くなくて、色々と突っ込まれてるけど。


「あっ、それなら校内カラオケ大会とかやましょうデス」


 なんかクリスが変な大会を推しだした。確かにこいつめっちゃカラオケとか好きそうだけど……それを学校で開催する意味って何だよ。


「あくまでも学校が開くイベントはなにかしらの目的とか意義が必要だと思うよクリスちゃん」

「なら簡単デス。歌を通じて豊かな心を育てる――どうですこれ」


 本当に適当なことがコロコロと口から沸いて出て来る奴である。摂理が同じような突っ込みを日鞠から受けてあたふたしてたのに対して、こいつは最初から用意してたのかって言う返しをしてるからね。


 こういう奴が頭の回転が速いって言うんだろうね。


「なら私も、ゲーム大会を開きたいな。スマホゲーでも良いし、テーブルゲームでもいいし、皆がわいわい出来て、私が優勝できる奴」

「普通、主催側は参加しないんじゃ?」


 摂理の妄想に日鞠がぴしゃりと正論を言った。でも普通は生徒会と言ったら運営側だから、そうなるのは自然だよな。しかも自分が楽しむこと前提だし摂理の場合。


「うう……」

「まあまあ、簡単な解決策があるデスよ」

「え? どんな?」

「つまりは、摂理はラスボスになれば良いデス」

「ラスボス?」


 クリスのどや顔の発言に摂理はきょとんと小首をかしげてる。そんな仕草がカメラに抜かれて「かわいい」やら「ぐはっ」やらってコメがあふれてるが、無視しとこ。

 日鞠は今のクリスの発言でその意図を理解したのか「それならば確かに参加できるかもですけど」――とか言ってる。


「つまりはですね。勝ち上がってきた決勝戦……いえその後のエキシビションとしてこの学校の長である摂理と戦うんです」

「おおー!」


 理解できた摂理は興奮気味にそういった。なんかそういうの摂理も好きそうだもんな。


「そしてそこで摂理に勝てたら、それで摂理本人からご褒美があれば、これはもう盛り上がり間違いなしデス」

「ん? 本人? 私から?」

「敗者は勝者に何かを与える物じゃないですか? 何もご褒美ない勝負が楽しいですか摂理!」


 なんかめっちゃテンション上げてクリスの奴が摂理に迫ってる。まあ言いたいことはわかる。摂理も「それはそうだけど……」とか言ってるし。それにすでにこの放送を見てるコメント欄ではめっちゃ盛り上がってる。何せ摂理本人からの褒美があるかもと提示されてるんだからね。

 

 はっきり言って、摂理が手を握るとか握手券的なご褒美をやるだけでも、むせび泣く奴が出そうである。そんなこんなで後半は他愛もないようなそうでもないような、僕的にそこまで神経すり減らさない会話が続いて助かった。


 それから月曜日、投票は行われて――そして水曜日には正式に次の生徒会長が摂理になることが決まった。

これで『校内三分の計編』は終わります。次は『前に進むためのXの問い編』へと入りますね。

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