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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1636 校内三分の計編 246

 そんな折、一回昼休憩に入った。僕たちはそれぞれ席を立ち、おのおのトイレや水分補給とか、やることを済ませる。丁度お昼だから弁当とか出るのかな? とか思ったけど、そういうのはないみたいだ。

 まあ時間十五分くらいの休憩だし、お昼食べてる暇なんてないのは明白なんだけどね。


(でも実際、もう解散していいんじゃないか?)


 というのが僕の正直な意見だ。だって大枠的にはすでにまとまってる。本当ならこのディベートはそれぞれの候補者達が最後に生徒に自分たちの政策をアピールして支持者を奪ったり奪われたり……的なのが目的で盛り上がりだったと思うんだ。

 でもそもそも最初から一人は脱落気味だったし、日鞠は圧倒的、そして摂理はこういう場になれてないってのがあった。それでもなんとかなるはず……とかきっと日の出ジャーナルの面々は思ってたんだろう。

 だからこそ数時間って言う時間を組んでたんだと思う。でもすでに情勢は決着してる。誰もが思ってた「結局会長は会長のままだよな」的な決着ではなかったのはある意味で予想外で日の出ジャーナル的には良かったのかもしれないけど、反対したのが一年生一人ってのは弱かったかもしれない。


(そもそもが日鞠も最初から否定的でもなかったし……この流れ……もしかしてクリスと示し合わせてたのか?)


 自販機で買ったジュースを飲みながら僕はそんなことを思ってた。その場合の日鞠のメリットは何だろう? 会長の職を辞めれるって事か? でも別にやめたいとか愚痴ってた覚えはない。やっぱり次のステージを見据えてのかもしれない。

 だからこそ、この学校のトップ自体は降りたい――みたいな? でもまともにやっても日鞠を皆が手放すわけはないってのは当然だ。何せめっちゃ実績を残してる。

 てかまともにやったら、クリスも摂理も寄せ付けない圧倒的な大差で勝利をもぎ取るのは誰が見ても簡単にわかってた。だからあんまり力入れてなかったのかもしれない。


 ポスターとかは張ってたが、日鞠が会長選挙のために何か特別なことをやってたのを僕は結局一度も見てない。ただ単にいつも通りにやることが選挙のアピールになるんだと、勝手に好意的に解釈してたけど……日鞠の奴が本気で勝つ気があるのなら、あいつのことだしもっと色々とやれたはず。

 まあ日鞠は優しいから、圧倒的な勝利って奴を嫌ったのかもしれないけど。それにちょっとはマイナス印象もあったよな。僕のこととか、今僕たちの関係性を進めたことも、実際のところ選挙には不利に働いたと思ってる。


 確かに日鞠は、クリスや摂理のような美少女ってイメージはないだろうが、絶対に狙ってた奴はいっぱいいたはずだ。何せ別にブスじゃないし、めっちゃ有能だし。

 まああまりにも有能すぎて付き合うとかじゃなくただ潜在的に「良い」って位には皆思ってたと思う。けどそんな思いをぶち壊すように日鞠は僕との関係性を進めた。


『選挙に利用されたってのは考えたくないけど……」


 それを考えると僕の心がね……でもある意味で僕たちの関係って行き詰まり感があったからな。このくらいのきっかけが必要だったと考えれば……まあショックも和らぐというものだ。でもそう考えると、この決着は最初からクリスと日鞠の想定の範囲内だったんじゃないかと思えるというか何というか……


「そこんとこどうなんだよ?」


 僕はもう、隣にいるクリスに直接聞くことにした。

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