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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1634 校内三分の計編 244

「何も出来ないことがいいなんて……そんなことがある訳ないじゃないですか」

「そうでもないです。何にも出来ないって事は余計なこともしないって事デス。まあちょっとは何かやりたいことが摂理にはあるかもですけど、それって日鞠のこととかぶる事ってないデス。

 一番やっかいなのは無能な敵じゃなく、無能な味方なんですよ」


 どや顔でそんなことを言うクリスの奴。まあクリスが言いたいこともわからなくもない。何も出来ないからこれから吸収できると考えることも出来るからね。

 それに色々と出来たら、誰かの言葉を自分の知識で補うと言うか保管するというか、もっとひどく言うと受け入れないって事があり得てしまうじゃん。


 要はまあ暴走とか? この学校の生徒会長は摂理でスーパーな生徒会長が日鞠だったとしても、摂理に出来ることがいっぱいなら、確かに皆安心できるかもしれないが、どこかで日鞠と摂理の衝突って奴が起きてしまう可能性はあるのかもしれない。

 だからこそ、クリスは別段摂理が何も出来ないことはデメリットにはなり得ないってことを言いたいのかもしれない。


「無能な味方も十分に迷惑ですよ」


 そう言って彼女は厳しい目を摂理に向ける。


「えっと……許されるなら……そう、皆が許してくれるならでいいんだよ? 私は……ね、ずっと病院にいたから、皆よりも世間って奴がわかってないし、迷惑かけるってわかってる。けど憧れだって色々とあって……その中でも生徒会ってやってみたいって思ってて、日鞠ちゃんもうらやましかったし、出来ることならやってみたいかなって……うん、だから皆が許してくれるならやってみたいだけなんだよ」

「何にもないじゃないですか……それに……その顔でそんな殊勝な態度ってずるい……」


 一年生の彼女はどうやら摂理の可愛さにクラッときたらしい。実際今の摂理の発言で信者共は「こんな姫だからこそ会長にしてあげようじゃないか!!」とか息巻き始めた。

 きっと画面の向こうでは鼻息荒くしてるかもしれない。それにもしかしたらさっきの摂理の表情とか見て達してしまったり……いや、これ以上はやめておこう。


 まあけど案外摂理は自分の武器を使ってるね。摂理の武器は紛れなくその圧倒的な顔の良さだ。摂理が笑顔になればつられて笑顔を見せる人たちがいるし、摂理が涙を見せればつられて涙を流す人たちがいるだろう。

 それだけ周囲を巻き込むだけの力を顔に持ってるのが摂理だ。しかも普通はその人の顔って直接長く見つめるなんて出来ない訳じゃん。さらにはそれが異性とかなら尚更だ。

 

 何せ摂理はかわいすぎるからな。同じ学校、いや同じクラス内にいても話しかけたことない奴とかまともに見たことない奴だってきっといる。気恥ずかしさが出てさ。でもこの形式でカメラが勝手に抜いたりしてくれるって事はようは今まではなかなか出来なかった異性を正面からとらえることが出来るわけで……もしかしたらやばい破壊力を秘めてるやり方なのかもしれない……摂理にとっては――と思った。

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