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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1632 校内三分の計編 242

「私は自分自身の自己満足のために、ちょっとでも日鞠ちゃんに並べるかもてっくらいの気持ちで出馬しました。それが本心です。だからもしも生徒会長になっても、皆を導けるかなんてそんな自信は正直無いよ。だって私は日鞠ちゃんとは違うから」

「開き直りですか? 会長の椅子に泥を塗るってわかってるなら、今ここでそこの人同様に辞退した方がいいんじゃないですか?」


 摂理の宣言に一年生の彼女はそういった。彼女なりの思いやり――だったのかもしれないけど、ちょっと言葉的に厳しめな気がする。


「あはは、そうだね。そうかもしれない」


 そう言って摂理は下を向く。実際、ここで摂理が選挙から辞退しても誰も文句は言わないだろう。なにせただ、これまで通りになるだけだ。元の鞘に収まるっていうか。それだけだから皆摂理を責めたリリしない。

 そもそもが日鞠の後を継ぐってだけでプレッシャー半端ないことだし。生半可な気持ちで出来ることじゃない。きっと忙しいだろうし。いや実際どういう風になるかなんて誰もわかってない。でもおそらくは、普通の学校の生徒会長のようにお気楽には出来ないだろうって事だ。


「摂理ちゃん、私が言うのもなんだけど、無理する必要なんて無いよ。結局は皆がそれぞれ頑張る――それの手伝いをちょっとだけやれればいいだけだからね」

「日鞠ちゃんは、ちょっとなんてものじゃなかったよ。皆いろんな事を生徒会長って立場に期待してるんだよ」

「それは……そうだね。ならやっぱり私が頑張る! 私がきっと生徒会長って役職をゆがめたんだからね。その責任は取るよ」


 日鞠にとっては何でも無いようなことも、大半の庶民にとってはとても凄い事で、その蜜の味はある意味で劇薬なのだ。それを味合うとそれ以外だと物足りなくなるくらいの。


 それを思うと日鞠にも責任あるよね。日鞠の言ったように、日鞠の後と前では生徒会長って言葉が持つ意味が僕たちの間では大きく変わってる。


 だって日鞠の前の生徒会長なんて多分皆の記憶にもう無いと思う。いや、今の三年生はさすがに覚えてるかもだけど、二年や一年生は知ることなんか無いだろう。

 でも日鞠ってこれから入ってくるような人たちにまで「あのときはこんな生徒会長がいて」――って語り継がれるレベルなんだよな。


「まあ、日鞠なら出来るでしょうけど、それじゃあつまんないんデスよ」


 やる気も無いクリスがなんかそんな文句をたれてる。するとそこで下を向いてる摂理からこんな声が聞こえてきた。


「待ってよ二人とも……確かに私には覚悟なんて無いし、日鞠ちゃんみたいに出来るなんて思ってないよ。でもね……」


 摂理はそう言ってもう一度顔を上げる。辛めがそんな摂理を抜いて、そして言い切った。


「私はそれでも面白そうだから、生徒会長やってみたい」


 

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