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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1629 校内三分の計編 239

「どうですか? 自分の大好きな日鞠が全国で日本の顔になるんデス! 悪くないと思いませんデスか?」

「わ、悪くはないですね。会長は素晴らしいから、確かに私たちだけで独占するのは悪いことなのかもしれないです。でもそれもいいけど、自分たちにもっと構ってほしいって思ってるのもまた事実なんですよ。

 私たち一年生は必然的に会長と同じ時を過ごせる時間は少ないから……でも私たちがここに、この学校に来たのは会長の、この学校の評判を聞いたからって子たちが多いんです

 だから……会長がこの学校に関わってくれないと、がっかりする子は多いかなって思って……」


 そういう彼女は一年生たちの現状って奴を教えてくれてる。僕はそもそも一年生に知り合いなんて一人もいないからね。今年の入学者が去年よりも多かったなんて聞いても「へー、そうなんだぁ」くらいにしか思えない。

 でも高校受験って結構な大事ではあったのは記憶してる。僕はただ一番近いのがこの学校だったからここを選んだだけではある。深い理由なんて一つも無い。それに日鞠も普通にここにしてたから迷いもなかった。

 でも本当はもっとたくさん悩むんだよね。日鞠だって中三の時、ここを受けるって言ってて教師たちにはいろいろと言われてたのを知ってる。何せ日鞠ならもっとレベルの高い高校をいくらでも狙えたからだ。


 ここはあくまでも普通の区立の高校で別に進学実績なんて無い平々凡々な高校なんだ。だからこそ少子化の流れを受けて都会でも年々と生徒数が減少してた。


 それが数十年ぶりに増加に転じたのはちゃんと考えないといけないことなんだろう。そしてその原因はただの偶然とかじゃなく、やっぱりだけど皆今年の一年生たちは日鞠の評判とかを聞いて受験を決めたのがほとんどらしい。

 今のを聞く限りに。そんな一年生たちは日鞠が会長にいるからここを選んだわけで、確かに日鞠の恩恵がほかの学校でも受けられるってなったら、無理してこんな平々凡々な高校に来ることなんて無かった。

 そう思う一年生はいるかもしれない。てかそこはみんな不安がってると思う。スーパー生徒会長になるのは日鞠しかいないとみんな思ってるとは思うけどね。


 そんなアホみたいな肩書きを背負えるのは規格外な事をいっぱいやってきた日鞠しかいないんだから。でも自分たちが一番なのも確か。そこがスーパー生徒会長を許容できるかどうか何だと思う。一年生だけじゃない、全校生徒がそうだろう。

 みんな将来は大切だからね。


「会長はどっちがいいんですか?」

「私よりも、みんなが信頼したいのは彼女の方じゃないかな?」


 そう言って日鞠は視線を摂理に向けた。勿論カメラも摂理を抜いてる。みんなが摂理に注目してる。


「えっ……私……は」


 いきなり中心に立たされた摂理は動揺してる。でも確かに日鞠の言うとおりなのかもしれない。みんなが日鞠をスーパーな生徒会長に推せないのは結局トップが実質変わることへの不安だ。

 それで大丈夫なのかって……みんなスーパーな生徒会長は日鞠にしか務まらないなんてわかってるんだからな。だからこそ日鞠の代わりになる生徒会長がいればみんな安心して日鞠をスーパーな生徒会長へ推すことができる。

 そしてその安心を与えることができるのは摂理しかいないんだ。なにせ唯一のその生徒会長という椅子に座れるのは今のところ摂理しかいないんだから。

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