1626 校内三分の計編 236
「え? え? 日鞠ちゃんは皆の為に……やってるんだよね?」
摂理のそんな言葉。それは誰もが疑わないことだと思う。だって日鞠はみんなの為に、そこれこそ色々と動いてきてる。まあ確かにクリスのいうように、学校制度の改革まで行くと、過剰という言葉が適応できるような気はするけどね。
大体……日鞠は誰かの為に……いや、僕の為に動くことが多い。自慢じゃなく、今までの経験でね。日鞠はいつだって僕を見ててくれるからだ。
そもそもが学校のレベルを全体的に上げるのだって、もしかしたら僕と一緒にいるための施策とか考えられるかもしれない。なにせ僕と日鞠では頭の出来が違い過ぎる。
日鞠は東大とか余裕で入れる。でも僕は今から頑張っても……いや今からLROとか一切やらずに青春もすべて捨てればなんとか? 勉強にすべての時間を割り当てれば、もしかしたら合格できるかもしれないレベルだ。
つまりはそれだけの差がある。だから学校全体のレベルを上げて、自然と勉強のレベルを上げて行って――みたいな? 流石に無理があるか。それに中々にうぬぼれというか、日鞠にデレ過ぎなのかもしれない。
こんな考え絶対に洩らせないな。
「そうだよ。みんなの為に、やってるよ。この学校、ううんこの国に生きるすべての学生の為にだよ」
「すべて……全国の?」
「そうだよ」
普通に日鞠がそんな風にいった。確かに学校制度の改革はこの国に住んで通ってるであろうすべての学生に関係がある。だから日鞠の言ってる事は間違っちゃない。けど……やっぱりスケール感的に、それって一生徒会長がやることじゃない。
生徒会長って一つの学校の生徒会長じゃないの?
「日鞠はスーパー生徒会長とでも名乗った方かいいデスよ」
「ぷはっ、いいねそれ」
思わず日鞠がふきだしてる。二人はけらけらと笑ってるが、摂理はポカーンとしてるよ。ちょっとついていけてない。いや、それはコメント欄もそうだけどね。クリスの奴はああいう見た目でも頭の回転はかなり速いし、適応力とかもさすがは工作員やってるだけあるからな。そしてもちろん日鞠は規格外。
その二人の会話を一般ピープルが聞いてるとこうなるんだよね。しょうがない。
でもまあスーパー生徒会長は言いえて妙だとは思った。なんかしっくりくる。それを思ったのは僕だけではないようで、ある意味でスーパー生徒会長ってパワーワードがコメント欄で伝播していってた。
「それなら、日鞠はやっぱり下じゃなく、上じゃないか? 生徒会長の更に上……この学校の生徒会長を摂理に任せて、スーパーな生徒会長様を日鞠に任せればいい。てかそんなのやれるの日鞠しかいないだろ」
僕はぽろっとそういった。