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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1624 校内三分の計編 234

「詐欺師って、そんなつもりはないよクリスちゃん」


 すぐさま日鞠が反論する。当然だな。てかクリスのいいがりってほぼ難癖だし。生徒会長選挙から事実上下りてるクリスにはコメント欄からもそれなりに非難がきてる。けどそれを気にするような奴ではない。


「摂理も摂理です。摂理がトップになっても、日鞠はどうせ自分のやりたいことをやるんデス。それを摂理が背負う必要ってないんですよ。寧ろ、こう考えるデス」


 そういって指をピッと立てるクリスの奴。こいつは自分に注目を向けるのがうまいな。日鞠だってそこら辺の仕草うまいけど、今は別にそういうのを使ってるわけじゃない。それにそういうのを使わないと日鞠は目立つような容姿はしてない。

 けどクリスの奴は違う。こいつはそこに存在するだけで目立つ容姿をしてる奴だ。実際そんなに目立ったら潜入するような立場の奴って不味いんでは? と思うんだけど、そこら辺を考えてもしょうがない。


 とりあえずクリスの奴はその容姿とテクニックでも自分に注目させる術を持ってる。それが強い。この場の皆だけじゃなく、きっとネットの向こう側でも今はクリスが画面にどばーんと占有してるんだろう。


「摂理は日鞠がしたこと全部自分の糧にしてやろうって!」

「ええ? それって手柄の強奪……」

「違います! 皆でやって、その時のトップが摂理なら、対外的に持たれる印象はそういう風になるって事デス!!」


 それ、堂々と言っていいのか? だってそれをいって日鞠の手柄を全部摂理に獲られたくないって思う層だっていると思う。反発心って奴は人に簡単に芽生えるものだぞ。

 今の状況で摂理が日鞠に勝つにはそれこそ支持者の大移動くらいがないとどうしようもない。それには一人の取りこぼしも致命になりえるっていうか……


「それにそれにデス!」


 摂理が否定的だから、あわてて更に言い募るつもりのようだ。


「双方にメリットはいっぱいですよ! はっきり言って日鞠は表で動くよりも裏で動くタイプだと思うデスし。そのおかげでもっと自由になると思うデス。

 そして摂理は色々な体験できます。日鞠の活動にはかかわってなくても対外的にはそうは見られないから、きっと自信とかつきますよ!

 二人のいいところを使えてさらにこの学校が飛躍すること間違いなし!」


 なんかめっちゃ胡散臭いお宅訪問の勧誘業者みたいになってるぞ。


「ふ、ふざけないでください!」


 クリスのそんな適当な言葉に反応したのは摂理でも日鞠でもなく、鈴鹿とかでもなく、日鞠の隣に座ってる女の子だった。わざわざ日鞠が隣に座らせた子……はっきり言って僕は全然知らない。てか多分後輩だと思う。

 一年生って一番この学校に馴染んでない存在だ。一体何が目的で日鞠はこの子を連れてきたのだろうか?


「会長は、会長でないといけないんです! 皆がそれを望んでるじゃないですか」


 うむ……なかなかに心酔してる日鞠信者みたいだ。新入生にしてはなかなかに珍しい子を連れてきたな。

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