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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1623 校内三分の計編 233

「そっか、そうだよね。よかった。摂理ちゃんには摂理ちゃんがやりたいことやって欲しいし。私のやりたいことをやらせるなんてそんなの会長になる意味ないもんね」


 ん? なんか別に日鞠は摂理にとどめをさしたったわけではないらしい。普通に摂理が摂理自身で何かあることを応援してるみたいな……そんな感じか。


 でもそれはある意味で摂理にはプレッシャーになってるような? だって日鞠ができる以上のことを摂理ができるわけはない。

 絶対に見劣りする。この場、この雰囲気で日鞠がやろうとしてることよりもショボイようなことを言えるだろうか? 僕なら言えない。


 でもいうしかない状況でもある。だってクリスはもう脱落してるから気楽にしてるし、ここには三人の立候補者が座ってるが、実質的な戦いは二組だけなんだよ。

 そして日鞠がこれまでの行動でその指針みたいなものを示してるから、実際具体的な公約なんてものがなくたって生徒全員が日鞠を信頼してる。


 その信頼に風穴でも開けないと心を動かすなんて出来やしなさそうなんだが……それが無理ゲーなんだよな。


 日鞠がさっき言った全国の学校の一律化というか統合的なシステムの普及なんて生徒の案じゃないし。しかもそれを実現してしまおうとしてる日鞠に対抗できるものなんて思いつかない。


 てか、思いついたとしてもそれを実現できるなんて誰も思わないだろう。なにせ摂理は確かに超絶可愛いが、能力的には平凡だ。容姿に全ての能力値を振ってキャラクリしたような……そんな感じだからな。


 だから日鞠のような大きすぎることを言ったって誰もそれが実現されるなんて思わないだろう。そんな大洞に票を預ける奴らがいるかっていうと……いないだろう。信者くらいだ。それじゃあ日鞠には勝てない。


 やばいな……こうやって考えると摂理に勝ち目ないじゃん。わかってたけど、日鞠という壁はあまりにも高い。確かに一縷の望みってやつをクリスが作ってくれたけど……それをうまく使えるかってのは摂理次第だ。


 事前に打ち合わせとかこの流れのことをわかってたらもっと違ったかも知れないが、クリスの所業で二人の信頼関係って破綻までは行かなくても地に落ちてるからな。


 摂理の伸ばしてた背中がどんどんと丸まっていってる。堂々としてる気概さえなくなってるぞ。このままじゃ終わりだけど……どうするんだ? 降参して終わりなのだろうか?

 実際、僕も別に会長は日鞠のままでいいとおもってるけどさ。摂理がなっても面白いことにはなるとは思うよ。もちろん副会長の位置とかに日鞠がつけば−−だけど。

 でもみんな強力なリーダーを求めてるから、今の摂理のままじゃ……な。選ばれない。それに摂理も何がなんでも……なんて思ってない気持ちの問題もある。


「日鞠は酷いデスね。スケール感大きすぎてよく分かんないデスよ。まるで凄いことをやってる様に見せるのが上手い詐欺師のやり方デス」


 今まで二人のやりとりを見てたクリスがそんなことを言う。何か摂理に助け舟でも出すつもりか? でも先に提案した以上の手助けってないような気がするぞ。

 日鞠をたてて摂理を会長に推す案はあれしかないしな。クリスがまだ摂理の味方というのなら、道筋でも示すのだろうか? ここから会長が摂理でも良いじゃん−−って成る程の道筋。

 飛車角とか取られてる状況だと思うけど、もしかしたらクリスならって気はする。

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