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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1622 校内三分の計編 232

「摂理ちゃんは何で生徒会長になりたいの?」

「私は……」


 口ごもる摂理……まあそうだよな。と思う。視線が僕を見て、そして日鞠に戻る。更にはモバイルモニターの方にも行ってる。実際摂理が生徒会長になりたいのか……というと微妙だしな。


 だって摂理の立候補の動機って……日鞠に対抗意識を燃やして……だったと思う。けどそれを馬鹿正直に言ったらどうなるか……そのくらいは摂理だってわかってる。でもだからって「そうだよ」とか認めても、さらに深く突っ込まれたら摂理ならボロが出そうだ。

 摂理だって日鞠に追及されたらかわせない自信があるんだろう。鈴鹿にどうしたら? みたいな視線を送ってる。けど鈴鹿だってどうするのが一番なのか、よくわかってない。

 てかそもそも鈴鹿って別に何が何でも摂理を生徒会長に押してるわけでもないからな。だって鈴鹿は別に生徒会長選挙自体の手伝いはしてなかったし。

 けどまあ、この場に立つ前に、そこら辺の気持ち、鈴鹿なら聞いてていてもおかしくないと思うが……昨日お泊りしてたし、その時に摂理なら「もうどうでもいいよ」とか言ってそうだが?


 実際、僕と日鞠が付き合いだしたからそういう気持ちになっててもおかしくない……と思う。ただここには摂理の場合、いままで手伝ってくれてた奴らの手前出る……くらいだろうと思ってるんだけど。

 だから面倒が多そうな生徒会長に実はもうなりたくない……って可能性は十分にあって、実際そこら辺はどうなんだろう。


 ここで本心を言えば多分決まってしまう。でもある意味でここが最後の摂理がこの舞台から降りれる場面かも知れない。正面対決したって、このままじゃ……ね。ぼろ負け確定してるみたいなものだからな。


「私は……そうでもないかもよ。だって、日鞠ちゃんのようにこの国の学校教育にまでかかわろうなんて思わないし、そもそも今の状態でも別に不満なんてないもん」


 ざわざわ――とこの放送を見てる奴らがなってるのがわかるようだ。だって摂理は言ってしまった。自分の本心を。今までは体裁を気にして、一応は生徒会長目指してます! ――って姿勢を見せてたけど、実はそんなに生徒会長になりたい訳じゃない。


 それを言ったら、もう摂理には選挙で勝目なんてない。だってやる気のあるやつと、やる気のない奴……どっちに上に立ってほしいかといえばそれは考えなくてもわかる。


 今の学校の方針でこの生徒会が占める割合は大きくて、全ての生徒にかかわるようなことをやってるんだ。皆無関心ではいられない。この学校が飛躍してるんだから、それに乗れれば皆将来が明るくなるかも……とか思ってるだろうしね。

 そんな中、やる気のない奴を選ぼうと思うか……いやない。なにせ皆将来がかかってるし。確かに日鞠への負担って問題はもちろんある。クリスが指摘したように。

 今のなんでも日鞠頼み――なのは問題だけど、それだってこいつならどうにかするだろうって思うだろうし、日鞠自体はそれをあまり問題にしてないからな。


 つまり摂理の今の発言でこの選挙の流れが「やっぱり今まで通り会長は会長のままでいい」という雰囲気が作られたといっても過言じゃない。


 トップが意気消沈したことで、コメント欄での摂理派の動きも重くなってる。こうなったら……もう。


「そっか、そうだよね。よかった」


 そういって最後に日鞠がとどめを刺した。

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