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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1609/2701

1620 校内三分の計編 230

「全国一斉に……って事は私たちの代では無理かもね。でも出来るまで頑張るよ」

「できるまで? だって、私たちが高校生で居られるのはもうあと二年くらいしかないよ? もしかして……日鞠ちゃん留年とかするの?」

「ふふ、摂理ちゃんは面白いね」


 摂理の言葉に思わず日鞠が笑ってしまってるよ。でもまあ分かる。わかるっていうのは摂理の言葉の方じゃなく、笑っちゃった日鞠の方だけどね。


 そもそもが今から一回も学校にこなくても卒業できてしまう日鞠を留年にするのはとても難しいと思うんだ。まあ日鞠の場合は留年したってそれがハンデになりそうにないけどさ……わざわざ留年までする必要はないんじゃないかな? コメント欄でも、案外日鞠が留年したら後輩たちもある意味で安心だ――なんて声もある。


 それはあるかもね。今の三年生や二年である僕たちは日鞠がいる恩恵を直接受けられるわけだけど、その後……今の一年生たちは一番の貧乏くじを引いてるかもしれないからな。もちろん日鞠が自分がいなくなった後を考えてない……なんてことはきっとない。そんな投げやりな奴じゃないからだ。


 でもそれでも……だ。やっぱり卒業したら影響力ってなくなっていくものだ。さすがに日鞠がいなくなってすぐにそれがなくなることはないだろうが……


「留年はしないよ。そもそもここで留年宣言したら問題だしね」

「もしかして日鞠ちゃん、もう進路とか決めてるの?」

「それはどうかな?」


 ん? 今ちらっと日鞠が僕を見た気がする。そういえば、僕も日鞠の進路って聞いたことないぞ。日鞠はきっと引く手あまただろう。東大だって日鞠にとってはそう難関じゃないと思うし……こいつにとったら日本は狭すぎるような気さえする。

 そうなってくると……見据えるのは世界か……でもそうなると僕たちの関係ってどうなるんだ? 僕は海外を見据えられるほど、頭よくないよ。

 なんか一人で絶望してしまいそうだ。


「今はこの学校の事に全力だよ。それは保証する。さっき言ったのは最終目標みたいなもの。私がいる間にできるのは、お試し的な実証実験とかになるよ。周囲の何校かでシステムを試してみる……とかになるかな」

「それって勿論、日鞠ちゃんだけが決めたわけじゃないよね?」

「そうだね。色々とお話しした結果だよ」


 そういって日鞠はにっこりとほほ笑む。どうやらさっきの全国の学校を一律化的な構想は既に歩き出してるみたいだ。流石は日鞠。口だけで終わらない奴だ。


 でもそんな大掛かりな事を一斉にできるわけはないし、国の上の方だってどうなるかわからないそれをいきなり施行する訳もない。だからまずは提唱した日鞠がいる学校とその周囲でやってみよう……となるのは自然だと思う。


 自然だけどさ……それってかなりたくさんの人たちを既に動かしてるよな? 学校関係者……とかだけじゃないよね? 


「それって……日鞠ちゃんが生徒会長じゃなくなったら、止まっちゃったりするのかな?」


 摂理がなんか怖気づきそうな感じてそういった。

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