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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1618 校内三分の計編 228

「うーん、今は一つ一つの学校は独立してるよね? 一応教育機関が最低限の授業量は定めてるけど、その進行スピードとか、どこに重点を置くかってのは結構バラバラだったりするしね。

 わかりやすいのは進学に力を入れてる学校と部活動に力を入れてる学校は勉強の進むスピードが違ったりするものだから。それに都会の学校はやっぱり地方よりも進行スピードが速くなりがちで都会と地方で格差はどうしてもあるんだよ。

 それは教師の数とか質とか、色々と違いがあるから仕方なかったりするものだけど、インターネットが発達して十分にリモートで授業ができるようになってる今なら、一つ一つの学校に縛られる必要はないのかなって考えだよ」


 日鞠の奴が自分の中の構想をそういって話してる。何か色々とやってると思ってたけど……そういうことやってたのか? それって一女子高生……いや一生徒会長がやるようなことじゃないよね? どう考えても国レベルの政策の話になってると思う。なにせこの国の教育にメス入れてるよ?


 実際自分達ではこの国の教育に格差がそんなにあるのかってよくわからないところはある。田舎や都会って言われても、僕は田舎とか行ったことないし、知り合いもいないから田舎の現状ってわからないってのもある。


 それよりも都会でも塾とかに通って、学校の授業よりも進んだところをして、受験に備えてる……とかならまだわかる。でもそれでもやっぱり家庭の事情とかで、塾に行けたり行けなかったりするだろう。

 そういう格差はどうしようもなくあるとは思う。まあけど今はこの学校で言えば、塾に行くよりも学校で勉強するだけでも十分に受験に対応できるってなってる。

 だからこそ、色々と日鞠が試行してる放課後の特別授業は大人気なんだよね。そこら辺、日鞠はいろんな業界の人を引っ張ってくる。そしてその恩恵を受けてるのは、今はこの学校の生徒たちになってる。


 でももしかしたら、日鞠はそれ自体がもったいない……とかおもってるのかもしれない。もしも学校のくくりが地域や市町村区、そして私立……って私立はどうしようもないか。

 とにかく公立的な学校が分散的に教育をしてるからこそ、地域格差が生まれるって事なんだと思う。


「でもそれってどうやって生徒一人一人に対応するの?」

「学校という枠組み自体はあればいいんだよ。オンラインでも聞けるし、リアルでも聞ける。近くの学校は包括的に子供たちに対応できればいいのかなって思うよ」

「包括的……に……」


 なんか日鞠の言葉に摂理の頭から湯気が出そうになってる。言葉の意味も分かってなさそうだし。鈴鹿がフォローしてなんとか理解しようとしてるな。

 僕もそこまで日鞠がやろうとしてる事を理解してるかといえばそうじゃないと思う。でも、なんとなくはわかる。多分だけど、放送を見てる生徒達だってなんとなくだけど理解はできるだろう。

 それはとても大きくて、壮大で、なんだかとてつもないなって感覚を共有することになるだろう。


(やばくないかこれ?)


 なんか僕はそう思う。だって……そんな事は日鞠にしかできないって思っちゃうからだ。スケールがでかすぎて、日鞠以外じゃ絶対に実現不可能……いや普通なら日鞠だって無理では? と思うだろう。でもこの学校の生徒たちは日鞠への信頼感がすごい。

 だから日鞠なら「もしかしたら」という期待を抱くんだよね。そしてそれが摂理に適応できるかっていうと、ちょっと……いやかなり……厳しい。このままじゃ「やっぱり生徒会長は日鞠だな」って空気が作られそうだ。

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