表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1605/2697

1616 校内三分の計編 226

「日鞠が言いたいのは、摂理がどういう風にこの学校をしていきたいって事なんじゃないデスか?」


 二人の間に絶妙なタイミングで入ってきたのはクリスの奴だ。こいつは本当にそういう間がうまいな。適当そうに見えて、つぶさに観察してるからできることなんだろう。

 それにしても摂理がどういう風に――か。確かに生徒会長ならこの学校の代表だし、この学校の方向性を――定める必要がある? 普通の学校ではそこまでやってないと思うし、摂理の公約で十分のような気がするが?

 まあこの学校が特殊だから、そこまで求められてると言われたら何も言えないけどね。何? 摂理は普通にやったけど、日鞠とクリスはそこまで考えてやってたと? でもクリスの公約だってたいがいだぞ。だってクリスの公約って――俺は日鞠が持ってきてる公約のコピーの紙を見る。


『この学校に本当の自由を!!』


 ――だよ? 寧ろ摂理の方がよっぽど具体的なんだが? それに日鞠だって同じように『飛躍の年に』としか書いてない。それはもう公約なのか所信表明なのかわかんないぞ。やっぱりこうやって並べると摂理の奴のが一番公約のような……よく文句言ってるなこの二人。

 いや、もしかしたらそれは僕が一般人としての感性しか持ってないからなのかもしれない。それに日鞠の場合はこれでも日鞠なら間違いない――と皆に思わせることはできる。なにせ実績があるからだ。

 

(クリスの奴は――)


 ノリしかないだろうとは思う。こいつ演説の時にはなんて言ってたっけ? 制服自由とかだっけ? でも毎日服を選ばなくていい制服はある意味でありがたいと思うけど。オシャレに興味ないから僕はそう思うのだろうか? ファッションセンスがない奴はどうするんだよって思う。


「二人のにもなくない?」


 摂理が二人の公約を見てそういう。当然だな。そして鈴鹿の奴が、僕が思ってたのと同じような指摘をしてる。


「ノンノンデス。私は普段から自由を体現してます! だからこれを観たら私――だとわかるのデス」

「うぐ……絶対に適当だと思うのに言い返せない」


 まあ確かにクリスは普段から自由奔放にふるまってるからな……これをみたらこれがクリスの公約だとはわかるかもしれない。


「日鞠ちゃんはこの公約に何を込めたの? それに日鞠ちゃんらしさってこの中にあるの?」


 適当に生きてそうなクリスは諦めて摂理は日鞠に向いた。まああくまで削りたいのは日鞠だしな。票を持ってないクリスの相手したってしょうがない。

 それに公約の内側ってのはこの場になかなかにふさわしい題材ともいえる。皆、この公約に何をこめてたのかってのはしりたい……と思ってるかはわからないけど、立候補者たちの内側を見るためにも……そしてこれからの学校の展望を覗くためにも意味はたぶんある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ