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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1612 校内三分の計編 222

 クリスには日鞠を支える為にこの学校に尽くす……なんて気は元からさらさらない。だからこそ、クリスは自分が言った事の後に、日鞠から流れでるであろう票を受け取る気なんて最初からさらさらない。

 ならどうして、クリスはここにいて、更に日鞠を削るような事をいうのか……それは一応もう一人に協力する気はある――と示すためだろう。

 まあそのもう一人は全然ついていけてないが……


「私も手伝いたいデスよ。でも日鞠も知っての通り、私の票はないようなものです」

「今からでもクリスちゃんなら巻き返せそうだけど?」

「そんな事をしても日鞠には勝てないデスよ」

 

 はっきりときっぱりとそういうクリス。クリス的には自分に票が再び流れるのは嫌なんだろう。だからきっぱりとそういってる。自分には入れないでねって事だろう。


「摂理だって、そう思うデスよね?」

「へっ?」


 ここで摂理に振るクリス。ここまでてんで自分の意見なんて言ってない摂理である。話は聞いてたと思うが、その反応はどうなんだ? 一応クリスは摂理に協力するって事にはなってる筈だ。さっきクリスが「そんな事をしても――」の時点でピキーンときておかしくないような。


 いや、そもそもが既に摂理の中ではクリスが手伝ってくれるなんて思ってないのはありそうだけどね。なにせ散々クリスは裏切ってるし、今更手伝うなんて遅いよ! という気分だろう。


「だから手伝う事が出来るのは摂理だって話デス」

「私?」

「摂理にその気はないんデス? やっぱりスオウ取られてそんな気になれないデス?」


 おいやめろって。だからそれを蒸し返すな。皆敏感なんだからさ。デリケートな部分に躊躇なく踏み込むのやめろよなクリスの奴は。


「それは……確かに日鞠ちゃんを素直に応援ってできないかもしれないけど……私だって日鞠ちゃんにはお世話になってるし……日鞠ちゃんは私にできる事があると思ってるの?」


 クリスは摂理を持ち上げる為によいしょしてるが、クリスの事が信じられない摂理は日鞠に質問をぶつける。実際、摂理は自分の事を日鞠がどう評価してるのか、知りたいのかもしれない。

 なにせこの選挙に出たのは、なんかそういう対抗意識が摂理にはあったみたいだしな。この選挙戦で摂理が日鞠との距離をどう感じたかはわかんないが……色々と遠回しにやってきたが、正面からぶつかる決意をしたみたいだ。


「誰にだってできることはあるよ」

「そういう事じゃないよ! そんな誰にでもできることじゃない……」


 日鞠の当たり障りない返事に、摂理は納得いかなくて、大きな声を出した。けどその段々としりすぼみになった声は摂理の自信の無さの表れなんだろう。

 けどそんな摂理に隣の鈴鹿がそっと手を重ねてる。それでなんとか摂理はもう一度日鞠をみる。


「私にしかできなくて……それで日鞠ちゃんをたすけられるようなことだよ……」


 摂理はきっと自分だけの価値って奴が欲しいんだと思う。けど、そんなの皆そうだと思う。皆、そんな自分だけの価値を探してる筈だ。

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