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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1610 校内三分の計編 220

「クリスちゃんが私の事を思ってくれてるのはうれしいです。けど大丈夫だよ? クリスちゃんが思うほど、そして皆が心配するほどに無理なんてしてないから。

 私はそれこそ、皆と違って登校時間とかない訳だし、ちゃんと睡眠だってとってるし、リフレッシュだってしてる。私は……私の体が普通の人よりも頑丈だなんて思っていないから」


 そういって日鞠はクリスの主張に傾きだした世論というのを止めにかかる。でもそれだけじゃ、生徒たちは強がってるとしか思わない。じっさい日鞠は凄い事一杯やってるんだし、そういうことは一朝一夕でできることなんかじゃないじゃ? と皆が思う。


 そしてクリスの言葉で、更に皆は想像するだろう。日鞠が自分たちの為にどれだけやってくれてたのかと……それはいくら日鞠が「大丈夫」と訴えた所で、膨らんだ妄想を止めることはできない。


 だってなにせ、僕たち生徒側は日鞠がどんなことをやってるかわからないし、そもそもがどういうことをやってるかも知らないからだ。何かのイベントを持ってきたり、優秀な教師を臨時で招いたり……はまだ知り合いがいたのかな? とか、色々と交渉したのかな? 的に社会に出たことがない僕たちでも想像することはできる。


 けど、日の出ジャーナルとかいう会社を作ったり、更に学校のシステムに新たなものを追加したりってもうわかんないからな。学校の組織には教育委員会とかPTAとかあるけどさ、それがどういう組織かなんて僕たちはしらないし……日鞠の作ったシステムが色々と広がってる事をかんがえると、そこら辺も関連してそうなんだよね。


 しかも普通の学生にそんな事が可能かと……自分達には絶対に無理だと大多数の生徒は思ってる。だからどう想像したらいいのかなんてわかんなくて、でも簡単ではないってだけは想像でもわかる。


 だから今は際限なく、日鞠の心労とかを皆が膨らませてる筈だ。


『俺たちは、会長に頼りすぎてたんだよ。彼女のいう通り、俺たちだって会長の幸せを願わないと……』


 誰かがそんな書き込みをした。でもそれにも当然反論はある。「別に会長の幸せを願ってないわけじゃない」とか「会長が会長でなくなったらどうなるんだ!」とか……「会長の幸せは願うけど、それがスオウの奴だから信用できない」とか……


 おいその流れは止めろ。僕の信頼性のなさのせいで、余計に会長が心配だ――なんて声があふれてるんじゃん。


「ふふん」


 クリスの奴は得意気だ。なるほどこれを狙ってたのなら、自分を落として、どうしようもなくなったと見せかけてても確かになんとかなるのかもしれない。だって、結局の所、クリスは自分だけを下げて、日鞠の奴の評判とかは一切傷つけてない。

 その評判の高さと人の良心とかを使って『日鞠が会長のままじゃだめだ』って空気を作り出した。日鞠が圧倒的に支持されてるから……そして日鞠が誰にもできない事をやってきたからこそ、普通なら突けないような所をクリスは突いたんだ。

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