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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1609 校内三分の計編 219

「それで日鞠の最近のスケジュールはどうなんですか?」

「ああ、まあでも最近は夜はいつも遅く帰ってきてる……くらいしかわかんないぞ。その……朝食だって最近はめっきりだし。だからほとんど僕だって他の生徒達と同じくらいにしかわかんないよ」

「では、スオウから解放されて、日鞠は楽になったんデス?」


 その言い方、なんか棘がなくないか? 悪意を感じる。まあ悪意ほどではないにしてもいたずら心が見える。


「楽……かどうかはしらないけど、大変そうにはしてると思うぞ」


 日鞠は毎日夜遅くに還ってきてるし、多分だげど僕の朝食を作らなくなったからと言って、早起きしてないって事はないと思う。まあ日鞠はだからちゃんと自分の体の事を考えて睡眠時間とかとってるとは思う。

 日鞠は自分の事を特別だとそこまで思ってるわけじゃない。いや、ちゃんと自分が普通よりも優秀だって事は理解してるが、それでも日鞠は自分の事を人間なんだと……一人のただの人間だとちゃんと理解してるんだ。


 自分を過信なんて絶対にしない。天才の癖に努力も研鑽も怠らない……そして無理だってしない。常に自分の限界って奴をちゃんと把握してる奴だ。

 だからだろう。健康にだって人一倍、昔から気を使ってる。事実として、僕は日鞠が病気で倒れたなんて事ただの一度もみてない。もちろん体調が悪いときはある。けどそれならそれに対応した一日にしてその一日で直してしまう奴である。


 自分が他人よりも優れてるからといって、肉体まで優れてるなんて日鞠は思ってはない。だからちゃんと自分の事を管理してる筈だ。ただ、僕たちのような凡人にはその日鞠にとっては完璧に調整された習慣でもハードワークに映るってだけだ。


「ほら、このように日鞠は大変なんです! それにそんな中だとやっと付き合いだした二人にも悪いデス! 付き合いだしって一番ラブラブな時期デスよ! そんな二人の時間を奪っていいんデス?」


 おいやめろ。そっちに話を振るなよ。確かに日鞠との時間が無いのは困るけど……別にリアルで会わなくたって、LROの方であったりできるし……どれだけリアルで距離が離れてたとしても、LROでは目の前まですぐに行ける。

 便利な時代になったものだよ。クリスの奴はこの放送を見てる皆に訴えかけるように言ってるが……コメント欄は結構分かれてる。僕と日鞠の事を完全に受け入れてる奴らはそんなにいない。

 てか普通に自分達の事を考えられば、生徒たちにとっては僕は邪魔だしな。なにせ高校とは将来がかかってる場所だ。日鞠が全力で動けば、自分たちの将来にとってとてもプラスになることは証明されてる。


 もちろん自分たちの努力だって必要だが、日鞠が動くことで前のままのこの学校では届かなかったゴールがみえてるんだ。そしてそれを夢見てる奴らはたくさんいるだろう。


 だからそんな説得は僕へのヘイトを稼ぐだけのような……


「皆が日鞠を御旗にしたいのはわかってますデス。でも、皆はそんな冷淡なんデスか? 自分だけが幸せならいいんデス? 日鞠には自分達をサポートさせて誰も日鞠を支えようとしないんデスか? 

 そんなのは日鞠におんぶに抱っこされてるだけデス! なんで日鞠も幸せにしてあげようって皆思ってあげないんデス! 私は皆が幸せがいいデスよ!」


 目に涙をためてそんな事を叫ぶクリス。僕は「こいつが言うと引くなー」とか思ってるが……どうやらクリスの裏の顔を知らない大半の生徒は今の言葉が刺さったらしい。

 うわーこうやって世論って操作されていくんだなって思った。

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