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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1606 校内三分の計編 216

「まあそうだけど……」

「日鞠はそういう事を公表してないデス」

「あはは、そうだね。自分の失敗をいうのって恥ずかしいし」


 軽く笑ってごまかしてる日鞠。でも別に本当に困ってるわけではなさそう。日鞠的にはこういう事を言ってくるのは想定してたんだろう。周囲は成功しか聞きたくないから、成功してる部分を強調して伝えるのは、当然だとも思うが……透明性とか今はうるさい時代だ。

 そういうのをクリスは訴えるつもりだろうか? まあそれを言ってどうなるんだとは思うが……日鞠は余裕っぽいぞ。それにいくら失敗をしたのを隠してたとしても、それで実害を被った奴ッていないじゃん? たぶんだけど……いないんじゃないかな? そうなると、大多数の生徒たちにとっては別になんの影響もないのなら別に……ってなる。


 なにか他校とのイベントを考えてたけど、立ち消えました……程度の失敗なら失敗にもならないぞ。そこを突いても意味ないような……大丈夫なのかクリス? まあこいつはこんな能天気そうに見えて某国のスパイである。

 なにかとんでもない情報をつかんでる可能性はある。まあその場合なで知ってるんだ? 的な疑問が生徒達からでてきそうだけど。そこら辺はクリスなんだし、どうにでもテンションで乗り越えそうではあるが……


「公表した方がいいのかな? 一応色々とはあるよ?」

「日鞠の態度を見るに、そんなの公表したって意味ないです」

「あれ? そうなんだ?」

「そうです。全然怯えてないし、痛手なんて思ってないってことデス。本当にやるってなって公表して消えたものなんてないって事デスし。みんなが知らないことは、なかったと同じようなものデス」

「そっか」


 じゃあなんでそれを突いた? といいたくなるようなクリスの言葉である。わざわざ日鞠に失敗があるかと聞く――それだけだったのか? まあ確かに日鞠も失敗するんだ――っていうちょっとは人間味に近づいたイメージが出来たかもしれないけど……とても高い所にいると思ってた奴らが大半だろうけど、それがほんのちょっと……本当に階段一段くらいは下がったかもしれないけど、それって階段百段くらいあるからな。

 この学校の生徒にとって、日鞠とは階段百段以上の上にいるような存在だ。一段下がった程度じゃ……ね。そのくらいこいつだってわかってる筈だ。

 なにせ潜入調査してるわけだし。


「問題は失敗してた内容じゃなく、失敗してたという事なんデスよ!」

「はあ? 人間だもん、私だって失敗くらい――」

「本当に人間だから――ですか? 日鞠超人じゃないデスか」

「酷い、別に超人じゃないよ!」

「いえ、いくら超人でも、私が言いたいのは日鞠に負担がいきすぎてるって事デス」


 なるほどね。そっちか……と思った。けど問題がある。それは誰も日鞠についていけるような奴がいないという事だ。


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