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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1605 校内三分の計編 215

「日鞠ちゃんでも失敗するの? 本当に?」

「酷いよ摂理ちゃん。私と摂理ちゃんは同じ年齢だよ? 私と摂理ちゃんでそんなに変わったことなんてないし、人生経験でいえば、摂理ちゃんのが特殊だし、私は普通の女の子だよ」

「それはないデスけどね」


 日鞠の奴の謙遜にクリスが速攻で突っ込みをいれてる。まあそれにはコメント欄でも突っ込みが殺到してるが。日鞠に『普通』なんて概念を当てはめてもらっては困る――というのが大半の人の意見なのは間違いない。

 なにせ日鞠は行動を起こせば沢山の人がついていき、学力を示せば大体全国クラスだ。でもその学力だって本気出してるのかわかんないしな。僕は実際日鞠が死に物狂いで勉強してる所なんて見たことない。


 なにせ小さいころから一緒にいるが、塾に通ってる事実はないし、今は授業さえ免除され、学校に来てない日の方が多い。だからって家で机にかじりついてるわけではない。


 寧ろいろんな所にいってるみたいだ。いつこいつは勉強してるんだ? と常々思ってるくらいだ。それなのにテストをすれば学年でトップは当たり前だし、全国模試ではトップテンには絶対絶対に入る。そういうやつだ。


 トップテンだって五位くらいを常にキープしてるみたいだし、ハッキリ言ってなんかその順位も「このくらいでいいか」的な作為性を感じるしな。そこまでできる奴が『普通』なんてものを名乗られたら、他の大多数の普段授業を受けて塾にまで通ったりしてる奴らがどれだせ馬鹿なんだってことになるじゃん。

 だから日鞠は普通ではあってはならないのだ。日鞠は特別――でしかあってはならない。

 

「ええーそうかな?」

「そうですよ! 日鞠が普通ならそこらの学生なんてポテトみたいなものデス!」


 ポテト? 外国人的なスラングなのかな? 日本人が自分の事をミジンコと揶揄するみたいなさ。まあなんとなくジャガイモが芋っぽくてダサい? 的な感じなのはニュアンス的にわかるけど。

 けど外人芋大好きじゃね? とか思わなくもない。だって芋って小麦と並ぶくらいの主食では? 


「ポテト好きだよ?」

「私も好きです! でも日鞠はそんな大衆的な存在じゃないって事デス。あんまり自分を低く見てると嫌味に取られるデスよ」

「ふふ、わかってるよ。でも私は皆と変わらない視線で居たいだけ――だよ?」


 そんな日鞠の言葉にコメント欄では「会長!」やら「日鞠ちゃん!」とかなんか感動してる奴がいっぱいだ。実際自分達と同じなんて言われても困るし、あまり上から目線で来られたって、やっぱりいい気はしない。でも日鞠は常に自分達に寄り添ってくれてる……という思いが日鞠を皆が慕う事につながってる。


 こいつはどれだけ凄い事をしたってそれを鼻にかけたりしないからな。そう言う奴だと、この一年を通じてみんながわかってる。おいおい更に評価上げてない? このディベートで、更に『やっぱり会長は日鞠じゃないと』的な空気作られてるきがするぞ。


 既に摂理はあきらめムードのような……クリスだってただ雑談してるようなだけだが……


「どうやら皆、やっぱり会長は日鞠が言いたみたいデスね」

「うれしいことだよ。ありがたいです」

「でもそれって本当にそうでしょうか? 日鞠だって言ってましたよね? 失敗してることだってあるって」


 んん? なんかクリスの奴、企んでるな? そんな気がする。

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