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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1603 校内三分の計編 213

「どういう事かなクリスちゃん?」

「日鞠は今ラブラブじゃないですかぁ。恋って仕事には悪影響を及ぼすって研究成果がありますデス」


 なんかドヤ顔でクリスがそんな事を言ってる。お前が研究成果とか言うんだ。いや、クリスの真の姿を知ってる僕たちはまあ違和感は……あるけど普通の生徒達よりはないと思う。

 でも普通の一般生徒たちはただの留学生……しかも可愛くフレンドリーでちょっとおバカな――くらいの認識だろう。実際にはクリスのテストの点数とかめっちゃいいんだが、こいつはそんなの別にひけらかしてないし、わざわざ定着させた自分の親しみやすいってイメージを壊すような事をするような奴ではない。

 でもだからこそ、ここでなんか難しい言葉をいきなり使っても……ね。まあそれはクリスが一番よくわかってると思うが。



「確かにそれはしってるよ。でも女性は恋の原動力をいい方向に生かせるってデータもあったと思うけど?」

「でも、それってすべての人がそうじゃないですよ。摂理はどう思いますデス?」

「私?」


 いきなり振られて慌ててる摂理。僕はただ静かにこの話題が流れることを祈るだけだ。せっかく選挙の方の話に持っていく流れだったのに、微妙に僕に絡めてくるのが、クリスのいやらしいところだよ。 

 嫌がらせか? 僕への嫌がらせしてるんだろこいつ。


「えっと……私は……摂理ちゃんなら大丈夫だと思うけど……」


 おい何言ってるんだ摂理。そこはクリスに同調しないと駄目だろ。ここは二人で恋愛に現を抜かしてる日鞠には生徒会長なんて大役はふさわしくありません! ――っていう流れだと思う。

 まあ僕が思う事でもないけど。てか早くそこら辺からは離れてほしいからね。


「そうですよクリスちゃん。私は今、もりもりとやる気に燃えています。今ならなんだってできる気がするんです」

「それは危ない、危ない兆候ですよ日鞠! そういうときこそ、とんでもない失敗をするものなのデス!」


 ビシッと指をさしてそう宣言するクリス。こいつは何だって自信満々に言うな。まあそれが妙な説得力になってるんだが……こういう奴に日本人は相対的に弱い。

 基本強く出れない人が多いからだ。真実とか正当性とか、そんなのは必要なくて、クリスは雰囲気を作るのがうまいんだろう。というか自分に呑ませていくのがうまいというか……この場だってそういうクリスに呑まれそうにしてる。


「日鞠だって人間デス。確かに日鞠は優秀だし、天才だと思ってますよ。でもまだまだ高校生の子供なんです。間違うことだって失敗することだって当然ありますよね?」


 そういってクリスはなんか妖艶な笑みをしてた。

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