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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1599 校内三分の計編 209

「イエス!!」


 そんな力いっぱいに日鞠の声に同意したクリス。お前……それってどうなの? っていう雰囲気か辺りに漂ってると気づいた方がいいと思う。その空気を言葉にすると――


『うわ、マジ……ひくわ~』


 ――が当てはまるだろう。みなさーんこいつはこういう女ですよ~。僕を隠れ蓑にいい女というか接しやすい女を演じてきたけど、実は某国の諜報員やってるだけあってめっちゃ内部はどす黒いタールみたいないろしてまーす!! いくら容姿に彩られた仮面で騙されてたクリス派の奴らも流石にここまでの一連の流れがあれば、クリスという人間に疑問というか、疑惑がわくだろう。

 

 これでそれでも『クリスちゃん最高!』とか抜かしてる奴は本当の狂信者と認定していいと思う。いやマジで。まあいないわけではないな。すごい勢いでモバイルモニターの小さな画面……と言っても十三インチくらいはあるけど――それに書き込まれてる数はえげつない。流れすぎてて、普通では目に追えないはずだ。けど僕には追える。

 なにせ僕の目は可能性領域を開いてるからだ。そのおかげで今までの人の視覚領域を超えてる。まあけどそこまで見たいものでもないけどね。


「だからその内、日鞠も摂理にお試し期間を作ってくださいデス。それからスオウに選んでもらえれば公平デス!」

「はあ!?」


 最後に選ぶのは僕かよ。嫌なんだけど……てか、そんなの日鞠が認める訳が――


「そういう事ですか。まあ確かにこのまま勝ち逃げっていうのもどうかとおもいますしね」

「え? いいの?」

「おい、日鞠!」


 ――思ってた反応と違うぞ! 僕の彼女だよね? めっちゃ頑張って告白したよ!? それなのに一回摂理に譲ってもいいと思われてるの……ショックなんですけど……なんかコメントでは「うらやましい」とか言ってる奴がいるが……僕は純粋に日鞠の事が……


「スオウ、私はスオウが世界で一番好きです。愛してます」

「ぶっ!?」


 思わずな告白に僕は噴出した。そしてコメント欄もそうだけど、この現場も唖然としてる。なぜだろうか……選挙の事の為の場なのに、選挙関係ない僕の心臓と心が持ちそうにないんだが?

 めっちゃ恥ずかしい告白をした日鞠は僕をまっすぐに見てるけど、時折ちらっと摂理にも目を向けてる。摂理はなんかもじもじとしてる。何か言いたそうだが、言えない……そんな感じだ。


「私の愛は変わりません。けど自分でいった通りに人生は長いから、私は初めにスオウに『好き』と言ってもらえただけで満足はしないんです。ごめんなさい」

(どういう事?)


 なんか流れがわからなくなってきた。僕は……フラれてる訳じゃないよね? いや愛してる――って言ってくれてるし、それはないと思う。でもなんか心が整理できないから反応もなにもできない。


「私はずっとスオウに選んでもらいたいから。ずっと好きといってもらいたいから――」


 そういって今度は摂理を……そしてクリスを日鞠は見た。更には最後にはカメラ目線になってこういった。


「――何度だって誰であろうと選んでもらうために相手になりますよ」


 それはもしかしたら日鞠のこれを観てる全同性への宣戦布告だったのかもしれない。

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