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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1592 校内三分の計編 202

「さて、挨拶も済みましたし、これからは自由に討論をしてください。ただし、皆さんは全校生徒にみられてるという事を忘れずに。この討論で票が動くこともあるでしょうから」


 司会の日の出ジャーナルの奴がそういうと彼を抜いてたカメラが切り替わって、それぞれ日鞠、クリス、摂理を映す。大きな画面には三人の顔がそれぞれ三分割の画面に映ってる。


(初っ端から投げっぱなしなのか……最初に発言するって何を? って感じだが……)


 とりあえず僕はただの置物ということで何か発する気はない。てかそもそもいきなり僕が喋るとか絶対にコメントがあれるしな。幸い三分割してるせいで、端っこの僕は見切れてるわけだし、このまま存在を消したいほどだ。


 一体だれが喋りだすのか……こういう時こそ、無駄にテンション高めな女を演じてるクリスが行くべきでは? とか思ってた。でもクリスは何かを待ってるように動かない。

 摂理は引っ込み思案だからな。真っ先に口を開くなんてないだろう。しかもこの二人相手だしな。一番舌戦に向いてないのが摂理なのは間違いない。となると――


「なるほど、投げっぱなしですね。ここまま何もテーマもないとは思いましせんでした」


 ――そういったのは日鞠だ。そういってクスクスと笑う。それに対してコメント欄も「ほんとだぞ」「流れくらいようしてろ」仕事しろ」とほほえましいコメントが流れて行ってる。そして視界の日の出ジャーナルの奴も「あはは」と乾いた笑いを出してた。


「まあでも大きなテーマは事前に提示されてましたよね」


 そういって日鞠は二人をみる。もちろん二人だってわかってる。もちろん僕もね。だってこの場は生徒会長選挙の為に用意された場所だ。なら話すことは一つしかない。


「でもいきなり堅苦しい話もなんですし、ちょっと雑談でもしましょうか? 摂理ちゃんも緊張してるようですし」

「え? 私?」

「まあそうデスね。それもいいかもデス」


 一時間と半くらいしかないが、まずは雑談から始めるらしい。確かにいきなり堅苦しい話をしてもってのはある。それに摂理が緊張してるのも確かだしな。

 まあ本来の勝ちを絶対に獲りたいのなら、緊張してるいまこそ叩き潰す――とか考えてもおかしくはないんだが……日鞠はそんな奴ではない。寧ろ正々堂々と、敵の力だって出し尽くさせたうえで勝つのが日鞠のやり方といっていい。

 そんな風にやるから、きっと日鞠に負けた奴らは日鞠に悪い感情を見せないんだと思う。全力で戦ったから友情が芽生える……的な事をやってるからな。


「私は最近うれしいことがありました。悲願を達成したんです。でもこの場を借りて謝っておきますね。摂理ちゃんごめんなさい」

「えっと……え?」


 摂理は何のことかわかってない。僕だってわかりたくなかった。既になんかコメント欄が荒れ始めてるし。まあ実際雑談って言いだした時点でなんか嫌な予感はあった。だって話題となると……ね。

 でも日鞠は上手くそこをかわすだろうと思ってた。でもクリスは絶対に突いてくると思ってたが……まさかの日鞠の直球だ。


「スオウの事ですよ 」

「な、ななな何ことですか? 私には関係ない……ことですけど」


 摂理の奴はめっちゃ動揺してる。でも誤魔化すことはできないらしい。クリスも参戦しだしてるし……てか僕もやめてほしいと思ってるけどね。恥ずかしいじゃん。

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