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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1578 校内三分の計編 188

「青春って良いものデスね~」


 そういって私は画面に映る二人を見るデス。それはもちろん日鞠とスオウ。二人のデートしてる映像です。仲間の工作員が陰から二人の状況を監視してる。プライバシーもあったものではないデスけど、これも仕方ない事です。

 なにせスオウは色々な組織から狙われてるし、私達が目を光らせてるから、牽制にもなってありがたいと思ってもらいたいところデス。なので多少のプライバシーなんて……ね。


「貴女はよかったの?」


 私よりも豊満なその胸を揺らして、彼女が何かいってくる。


「なんの事デス? 私は任務でスオウの傍にいるだけデスよ。わかってる事でしょう。任務なら、勿論スオウを落としますデスけど。実際、そうしないのが不思議なくらいです」


 なにせそれが一番安心安全に、我が国にスオウを平和的に連れて来ることが出来る方法だろう。誘拐とか拉致するよりもよっぽど国際的に合法的だ。


「あの二人の絆を壊せると?」


 私の上司である彼女はモニターに映る仲睦まじい二人の様子を見ながらそういうよ。確かに二人は幸せそうだ。長年の幼馴染から、ようやく恋人へとなったからだろう。

 あの中には何者も入れない――かのように見える。けど……私はしっている。


「できますよ。そういうの、私たちは得意じゃないデスか」


 私はそういって彼女をみる。彼女も私も、そういう事、何回もしてきた。男を篭絡することなんて、手順を踏めば簡単だ。そもそもが私にそういう術を叩き込んだのは彼女自身だし。


「そうね。どんな男だって、一人を愛する義務なんてないしね」


 そういう事だ。それに生物の本能が浮気を促す。生物は種を残すことが責務なんだから、魅力的なメスがいたら手を伸ばすのがふつうなんデス。

 そして私は魅力的な異性デス。多少の好みなんてのは相手を知っていく中で合わせていけばいい。そして誰しもが運命というものを求めてる。そういうのを演出してしまえば、それが本能だといい訳して誰だってなびいてくる。

 だから、スオウだって同じデス。今からだって、奪うことはたやすい。亀裂なんて簡単に入れることができます。


「でも今回はもっと複雑なのよ。それにあの子は特別でしょ? あなたも苦労してるじゃない」

「それは……」


 確かにそうですね。認めましょう。日鞠は特別です。これまでよりも難易度高いでしょう。それに座して日鞠がスオウを奪われるのを見とく――なんてないデス。それは確実。日鞠はスオウの事では本気になります。本気の日鞠……


(それはそれで面白いデスけど……)


 実際ちょっとブルっと震える。なにせ日鞠はただの女子高生という立場なのに底が見えない。そんな存在はこれまでで初めてだから。でも……だから楽しい。私は日鞠の事、ただのおもちゃじゃなく、好敵手として見てるデスから。

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