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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1575 校内三分の計編 185

 僕は生徒会室の前まで来た。そしてそこで足踏みしてる。だって……なんていうんだよ? ここにはそれなりの人数の生徒会役員共がいるわけで……そんな奴らがいる中で会長である日鞠を連れ出せと? 今日はなんかどこも選挙活動やってない静かな放課後だけど、今の生徒会の活動が、選挙中だからって無くなってるわけじゃない。


 寧ろ日鞠はいつ休んでるんだよってくらいに色々とやってる。だから生徒会だっていつも忙しなく働いてる。日鞠達は選挙期間中でも、そんなにアピールをしてた覚えないしな。一番色々とやってたクリス陣営が頑張ってたからなんか活発に選挙活動が盛り上がってたように見えただけで、崩壊した今では……それに既存の生徒会はあくまでいつも通りを通してるんだ。


 実績が日鞠にはある。だからこそ派手なことをしなくても、いつも通り活動することで十分なんだろう。


(てか、二年も三年もいすぎなんだよな)


 まだ二年はわかる。一年はまだ参加する時期じゃない。でも三年は受験生だろうに。現生徒会にはたくさんの三年の協力者もいる。

 別に三年とか二年とか自分的にはそこまで気にしてはないが……今の立場で日鞠を連れ出すって行為に……なんか……ね。

 いや、彼氏が彼女を連れ出す−−それを止めるってのは野暮ってものだと思うんだけど……これまでの僕の扱いを考えるとね。絶対に何か言われそうで気が重いというか。


「いや、いつまでもここにいてもしょうがないだろ」


 僕はそう言って思い切って扉を開ける。すると扉の近くにいた生徒会の女生徒が立ち上がってこっちをみて固まった。


 本当なら、彼女が来客の要件とかを聞いて別の人に伝えたり中に通すとかを判断する係なんだ。けど僕だったから固まったんだろう。まあ知ってる仲だしな。知ってるだけで仲良くないけど。

 取り敢えず固まってるのなら無視して中に。


「あ、ちょっと」


 とかなんとか言ってたが無視した。そして僕は奥の日鞠の場所へ。


「どうしたのスオウ?」


 一瞬こっちをみたけど、すぐに自分のノートパソコンに視線を移して、手早く何か打ち込んでる日鞠。ただの学生の僕にはこいつが何をやってるのか検討もつかない。もしかして大きな取引とか? いや学生だしな……ない……とは言い切れないけど。


 取り敢えず、色々とバックボーンを想像すると身動きが取れなくなる。だから僕は何も考えずに心に従って行動することにした。


「せっかくだし、どっか遊びに行こうかと思って……いや、忙しいんなら−−」

「いく!!」


 最後までいう前に日鞠はテキパキと帰り支度を済ませる。そして僕の手を取った。


「いいの……か?」


 なんか周りが怖くてそんなことを聞いた。けど、なんか別に文句とかは飛んでこない。


「大丈夫だよ。皆頼りになるからね」

「そっか、じゃあ−−行くか」

「うん!」


 そういう訳で僕と日鞠は手をとって生徒会室を後にした。

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