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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1574 校内三分の計編 184

「何やってるんデスか?」


 学校から出ようとすると、なんかクリスのやつにそんなことを言われて止められた。


「いや、帰るところだけど?」

「アホですかスオウは!!」


 そう言ってこっちにズンズンと大股でやってくるクリス。足が長いクリスだからか、数歩で目の前まできた。そしてグイッ下から僕を煽ってくる。ヤンキーかこいつ。


「なんで、帰るんデス? な・ん・で・か・え・る・ん・デス!?」


 なんなのこいつ? そんなに放課後に帰るのがおかしいか? 僕は帰宅部だぞ。まあ一応生徒会庶務だが……僕が行ったって……ね。皆迷惑そうだし。さっさと帰ってLROしたいじゃん。今日はもうスッキリとした気持ちだし。

 確かに日鞠との関係が変わったわけだけど、逆にそのおかげで安心というか? 僕たちはもうこい……そう恋人なわけで、どこに居たって心は繋がってる−−的な? だから僕はいうよ。


「何がおかしいんだよ? もう、放課後だぞ?」

「いやおかしいでしょ! だってスオウと日鞠は付き合ってるんですよ? 今日はその記念すべき日デス。ならデートしないと!!」

「欧米基準で語るなよ。ここは日本だぞ? 郷に入っては郷に従えよ」

「万国共通で付き合いだした日は大切な日デスよ! そういうのを疎かにしてると、愛想尽かされますデスよ!!」

「……そういうもん?」


 なんかやけにクリスのやつが確信めいていうから、なんか流されそうになる。


「そういうもんデス! なのでさっさと、日鞠と一緒にデートにでもいくデス」

「いや、日鞠はきっと忙しいし」

「大丈夫デスよ」

「なんでお前が確信めいていうんだ? 予定知らないだろう?」

「彼氏にはちょっとくらい振り回されたい−−女の子はそういうものデス」

「そうなの?」

「そうですよ」


 うーんそういうものなのだろうか? 僕的には日鞠の邪魔とかはしたくないんだが……だってうっざいな……とか思われたくないし。前の関係の方がよかったとか思われたら怖くない? いや、日鞠に限ってそれはないと思うけどさ……寧ろ僕が言えば全ての予定とか簡単にキャンセルしそうではある。

 それはそれで怖いな。たくさんの人に迷惑かけることになるし……


「やっぱり今日は……だって日鞠はたくさんの人に頼られてるし」

「付き合いだしたその日に彼氏から蔑ろにされるんデスね。はあかわいそ」


 逃げようとしたら、ボソッとクリスがそんな風に言ってきた。それを受けて僕の足は止まった。


「別に蔑ろにしてるわけじゃない。そんなの日鞠だってわかって−−」

「そうですね二人は通じ合ってますデスもんね。だからそうやって日鞠に甘えるんですよね。確かに日鞠は忙しいけど、一番一緒に居たいのは彼氏のスオウなのに! 彼氏の! スオウとなのに!!」

「ああもう! わかったよ行けばいいんだろ! 行けば!!」

「その通りデス。さっさと彼氏の役割をする!」


 そう言って僕は背中を蹴られるようにして、再び校舎に向かうことになった。

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