表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
1562/2700

1573 校内三分の計編 183

「それではお願いします」

「……はい」


 放課後、私は自分達に割り当てられた選挙活動のための教室で日の出ジャーナルの記者にインタビューを受けることになった。どうやら他の立候補者にもインタビューをしてるらしい。


 なので私も受けるしかない。受けるしかないけど……はっきり言ってもう帰りたい。帰って不貞寝したいという思いがめっちゃつよい。

 だって……だって、日鞠ちゃんとスオウが付き合ったんだよ? なんで私はこんな所に未だいるのかよくわからない。しかもさっきクリスちゃんが来てなんかこんなことを言って去っていった。


「よかったデスね摂理。これできっと動き出すデス。二人の関係が進んだのなら、あとは日鞠の頑張りだけデスよ! これで終わったなんて思ったら、ダメですよ?」


 なにその言葉? と思ったのは言うまでもない。だってすでに終わってるじゃん。二人はようやく想いがつながったんだよ? ずっと曖昧だった糸が真っ直ぐになったのだ。今までは色々と絡まってたんだけど、それをクリスちゃんが強引に解いてくっつけた。

 いやいやいや!! 余計なお世話!! 余計なおせわだよ!! はっきり言って私が滑り込む隙はその糸が絡み合った時しかなかった。二人は確かに相思相愛だなって思ってたよ。でもチャンスはあった。

 二人は近いけど、完全にくっついてたわけじゃなかったからだ。けど……クリスちゃんのせいで二人は長い時間をかけて育んでた絆をさらに強固なものにしてしまった。


(どうするの? 私とスオウが出会って一年も経ってないんだよ? 日鞠ちゃんとスオウの関係なんてもう何十年? 固まっちゃったら、勝ち目なんてないんだよ……)


 だから私はずっとビクビクとしてた。私がスオウの家に居候するようになって、日鞠ちゃんとは距離が出てたから、もしかしたらこのままちょっとずつ二人が疎遠になっていけば……なんて思ってたのに、クリスちゃんはそんな二人を強引にくっつけたんだ。裏切りというか、もう私的には後ろから刺された感じだよ。仲間だと思ってたのに、いきなり包丁を取り出して背中刺された感じ。

 しかもなんかクリスちゃんはまだ仲間面してるして−−どういうメンタルなの? てか、クリスちゃんの思惑がわかんないよ。


「はい……」「……ですね」「……なんか、いい感じにしていきたいですね……はい」


 私は多分、終始こんな感じでインタビューを受けてたと思う。ずっと俯いてて、顔をあげることはなかった。そして学校から帰る時、私は鈴鹿ちゃんにお願いして、泊まらせてもらった。だってスオウを見るのは辛いし、クリスちゃんの所に行くのもね……向こうはなにも思ってないけど、こっちは裏切り者だと思ってる奴のところに泊まるなんてできない。だから私には鈴鹿ちゃんしか頼れる人がいなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ