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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1570 校内三分の計編 180

 「さあ、行ってくるといいデス!」


 そういってクリスの奴に背中を押された。全部言わなくても、それはたぶん「日鞠の所にいってこい」って事なんだと思った。なにせ電話越しの告白だったからな。実際、僕もそこまで実感があるかというとない。

 なんかすぐに号外号外と叫んでる日の出ジャーナルの奴らの声が聞こえるが、僕にはまだ信じられないところがある。


『スオウ、生徒会室でまってるね』


 そんな日鞠からの言葉で僕は生徒会室を目指す。その道中なぜか周囲の奴らにめっちゃもみくちゃにされた。


「会長の事を泣かしたら容赦しないぞ!」とか「ようやくかよ!」とか「このやろう!!」とか「こんちくしょう!」とかまあ様々だ。いや本当に一瞬で広まってるじゃん。わかってたことだけどな。


 最後まで反対してた生徒会役員の女子は最後まで僕をきつくにらんでたな。きっと認めてはいないだろう。てか生徒会室とかあの生徒会役員の女子と一緒の感情の奴等ばっかだろ。多分雨ノ森先輩は祝福してくれそうだけど……でもなんで日鞠は生徒会を選んだのか。


 生徒会室に行くにつれて人は少なくなっていく。そもそも普段から生徒会室へと続く道は人気ないしな。僕は小走りしつつ、息を整える。すると生徒会室の前に生徒会役員たちが見えた。なんで外に? とか思ったが、たぶん日鞠に追い出されたんじゃないだろうか? なにせ今から僕たちが密会をするわけで……邪魔だしな。

 僕は生徒会役員達の前で立ち止まる。なにせ道を開けてくれないからな。「ザマァ」とか言っていい? そんな事を言ったらこいつらキレて襲ってきそうだが……副会長とか泣いてるし。それを役員の女子に慰められてる。


「スオウ君、会長の事をよろしくね。頑張りすぎちゃう子だから、君が癒してあげてね。おめでとう」


 そういってくれたのはやっぱり雨ノ森先輩だ。雨ノ森先輩がそれを言うと、他の奴らもあんまり反対的な事は言えなくなったのか、「おめでとう」なんてことは言わないが、道をあけてくれた。

 なので僕は生徒会室の取っ手を握り、その扉を開く。その先には髪の毛を気にしてる日鞠がいた。メガネは生徒会長の机においてる。

 窓ガラスの前で髪を触ってた日鞠は扉が閉まる音で、僕に気づく。そして僕たちは互いに視線を合わせて……そして反らして……また合して……反らす……なんてことを繰り返す。だって僕たち付き合ってるんだよ? 

 どういう距離感が正しいのか僕も日鞠もしらないし……でもこうやってても仕方ない。僕は近づくことにして、日鞠もそう思ったんだろう近づいてくる。そして僕たちは生徒会室の中央付近で手の届く距離まできた。


「えっと……よろしくお願いいたします?」

「なんだよそれ……」


 そういって僕は日鞠を抱きしめた。するとその中で、日鞠は「大好き」と小さく言ってた。だから僕はもっと強く抱きしめた。

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