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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1564 校内三分の計編 174

 「おいおい、ちょっと待てよお前等。言ってくれるじゃん」


 女子二人の会話に割り込む僕。いつもならスルー安定だ。だってそういうのに反論したって、相手の思惑にのっかるだけってことを僕はよく知ってる。だからスルー……どんな相手だってスルーしてれば、いつかはこいつは反応示さないんだなってそのうち、そういうことは言われなくなる。

 まあ目の前で言われなくなるだけで、実際は裏ではこそこそと言われ続けるわけだけど、自分が気づかないところでは別に勝手にどうぞって感じだからな。

 僕の視界の端にわざわざ入って言ってたりするのがうざいのであって、自分が知りえないところで何か言われたってそんなの知らないんだから、どうでもいい。


 いつもなら……それでほとぼりが冷めるまで待つわけだけど……なんだろうか? もしかしたら、これは危機感って奴か? 僕は日鞠は僕を好きだと……うん、ハッキリ言って思ってた。てかあいつだってそういってたし。だから、そういう関係って奴にはそのうちなるんだろうなって漠然に思ってたんだ。

 ただ今は時期じゃないとか、なんとか思って僕が逃げてただけだ。でも僕が覚悟を決めれば、一段階とか進むのはわけない訳で……うん、わけないと思うんだけど……さっきのあの場面。それが頭をよぎる。


 校門前で、高級車で送られてきた日鞠。そしてキスしたように見える二人。実際、日鞠がキスしてないというなら、そうだと思う。角度的にそういう風に見えただけ……でも僕の目はあの距離からでもちゃんと男を捉えてた。

 

(あのイケメン……絶対に日鞠を狙ってる)


 それがわかる……わかったんだ。大人が高校生を? とか思うかもしれない。でもそういう話はよく聞くし、実際高校生なんて体は既に大人だ。子供なのは中学生までだろう。

 しかも高校生なんて食べごろじゃん。イケメンで高級車を乗り回すような奴は若い女が好きそう……という偏見が僕の中にある。


 実際あのイケメンがどういうやつかはあんまり知らない。仕事上の関係とは聞いてるけど……日鞠はたぶんなんとも思ってないと思う。でも……さっきの様子を見るに、あのイケメンは日鞠を狙ってるのは間違いない。

 日鞠はずれた年代な地味な格好をしてるから安心してたんだけどな。黒縁メガネに三つ編みだし、スカートだってひざ丈で決して短くなんてない。校則の服装の規定をきっちり守ってる、まさに地味なメガネっ子なのだ。

 普通に見たらね。それに顔だってちゃと見ないと印象に残るとはいいがたい。かわいくないわけじゃない。ぶさいくってわけでもないし。でも地味……それが日鞠だ。


 だから男が興味を持つとなるとその能力……有能さだけど……一緒に仕事をしてるなら、日鞠の有能さはすぐにわかる。だからほしい……とか思ったとしてもそこまでま不思議じゃない。だから僕の中に危機感が生まれたから……こんなアホな行動をとったのかもしれない。


「どうしたんデススオウ? らしくないですよ?」

「そうよ、あんたがヘタレなのは本当でしょ?」


 クリスと生徒会役員の女子がそういってくる。だから僕はこう返してやった。


「いっとくけど、日鞠は本当に僕の事好きだからな。その気になればすぐに付き合えるし」


 アホな事を言ったと今でも思う。

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