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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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1556 校内三分の計編 166

「なんで私は駄目なの!? みんなが……そう認めないけど、みんなかそうだと思ってるなら、私が二人の邪魔したっていいと思う!」


 私は腕を握ってる倉敷さんをにらみながらそういうよ。まあ私の睨みなんて全く効いてなさそうだけど。大体私が見つめるだけで、たいていの人は顔を赤くするだけだからね。それは男でも女でも、そして私が必死に睨んでるつもりでも笑顔でも変わらないからね。


「姫……人は何にすがって生きてると思いますか?」

「何? いきなり……そんなことを言ってるんじゃないよ」

「いいえ、大切な事ですよ」


 倉敷さんはいたって真剣にそういうよ。私はなんとか彼女から離れようとしてるんだけど……全然びくともしない。周りから見たら私たちがただ見つめあってるように見えるかもしれない。けど、私超がんばってるから! まあさすがに車いすを最大駆動させれば、彼女から離れることはできると思う。

 けど流石にそれは危ない。だってこの車いす、最高速度30キロくらい出る。さすがにそこまで出したことはないけど、おかしいくらいに高性能なんだもん。


 加速だってスムーズだし、トップスピードに持っていく時間は早い。だからこんな学校内でそんなことをしたら、絶対に事故ることは想像に難くない。

 きっと倉敷さんも怪我をするだろう。それは大問題だ。さすがにそんなことが起きたら、生徒会長選挙とかがどうなるか……なので自力で振り払うしかないんだけど……貧弱な私の体ではそれはかないそうにない。

 

 倉敷さんは意味不明なこと言うし、私の教室ではスオウがクリスちゃんとイチャイチャ……頭がどうにかなっちゃいそうだよ。


「姫、人は希望があるから生きてられるんです」


 なんか少年漫画の主人公のセリフみたいなことを言いたしたぞこの人。大丈夫? 頭のネジ外れてない? だって普通、そんなセリフ恥ずかしくて言えないよ。あれが許されるのは、物語の中だからであって、リアルではちょっと……


「確かに姫はあいつに想いを抱いてるとは誰しもがわかってます」

「だからそれは仮に……ね」

「ですが、姫は別に明言したわけじゃない。そういう態度をとってもも、二人がまだそういう関係ではないのは明白。その隙間に皆、希望を見てるんです」


 私の言葉を華麗にスルーした倉敷さんは真剣にそう言ってる。つまりは私の態度はわかりやすいし知られてるけど、そういう関係じゃないのもわかってるから、皆各々希望を持てると……もしかしたら、私と付き合っちゃったりできるかもしれないという希望を持ってると倉敷さんは言いたいらしい。


「ですが、彼女はそれを自ら放り投げた。彼女はスオウを取ると全校生徒に宣言したようなものです。それはもしかしたら……と思ってた数々の彼女のファン層を打ちのめすことと同義なのです」

「じゃあ、私があの場面に行ったら、私もスオウを好きだって公言するようなものだってこと?」


 さすがに飛躍しすぎじゃない? 確かに私がぷりぷりしてたらおもしろく思ってないって感じて、私の好意がバレるとはおもうけど……でもそれでも私が認めたわけじゃないのなら、まだ『希望』はあるのでは?


「彼女、クリスは狡猾で頭のいい女性です。もしも妃があの場に出向いたら、きっと彼女の話術にはめられる」

「た、確かに口ではクリスちゃんに勝てないけど……」

「それに彼女だって姫にはあの場には来てほしくないでしょう。彼女はあくまで派手で面白いほうがいいと思ってるような人間です。なら、この放送の意味はきっと……会長」


 そう倉敷さんが言うののジャストなタイミングで生徒会が配信してる教室に現れたようだ。

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